「意地と意地が導く虚しさ」イニシェリン島の精霊 カイトさんの映画レビュー(感想・評価)
意地と意地が導く虚しさ
ある日突然、長年の親友コルムから絶交を告げられたパードリック。
あの手この手でコルムとの関係を回復させようとするが頑なに断られ、互いの意地がエスカレートしていくコメディスリラー。
理解できない親友の固い意思、冷静かつ激しくなる狂気、戸惑い続けるコリンファレルの八の字眉毛に目が離せなかった!
争いはほんの些細な単純なことから始まり、互いの意地で取り返しのつかないことになる今も昔も変わらないのだと思った。
序盤と終盤では同じ景色、同じ色合いなのに全く違う映画のような雰囲気を纏っていて2人のやり取りの行く末が全く想像できなかった。
アイルランド本土で頻発する内戦と蚊帳の外にあるはずのイニシェリン島での2人の争いの対比が印象的でなぜ戦っているのか、きっかけもあやふやになるほど意地だけで争う醜さとおかしさが本作が他と異なる作品なのだと思った。
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