「いやぁ、、評しにくい。。」イニシェリン島の精霊 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
いやぁ、、評しにくい。。
確かに脚本は素晴らしく完成している。そして主要な役の俳優4人、いずれも素晴らしい。からの、トータルとしてどうか。。。うーん、評しにくい。
私は作品へ「感情移入」について、評価そのものに「影響」はしたとしてもけして「重要」なことではないと思っています。ただこの作品は、序盤こそオフビートなやり取りに笑える余裕もあるのですが、まだ前半とも言える時点から早々にコルム(ブレンダン・グリーソン)の言動のスリラー味に対して、惑わされるスーラウォーン兄妹(コリン・ファレル&ケリー・コンドン)へ否が応でも感情移入してしまい、次々と「起きることの衝撃」と「転がるような展開」にとても平常心ではいられなくなります。
本作の監督であり脚本を書くマーティン・マクドナー、『スリー・ビルボード』の不条理さもなかなかなものでしたが、はっきり言って本作は、比較にならないほど常軌を逸していてずっとザワザワが止まりませんでした。
果たして一体、どんな相手にならこの作品を薦められるのか判断できませんが、仮にこれが「アカデミー賞作品賞」を獲っても、それだけで「ちょっと観てみるか」のノリだったらむしろ観ない方がいいと思います。それだけ、映画ファンとして「絶対、否定はされたくないけど、これが最高だとも言いにく」バランスの云わば「問題作」だと思います。
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