劇場公開日 2023年2月17日

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「孤独、疎外感、同族嫌悪、拒絶、アイデンティティークライシスからの忘れえぬ青春恋愛、そして自己肯定・受容へと至るカミングオブエイジ…骨ごと全部味わいたいイーター(食人族)カップルによるロードムービー」ボーンズ アンド オール とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5孤独、疎外感、同族嫌悪、拒絶、アイデンティティークライシスからの忘れえぬ青春恋愛、そして自己肯定・受容へと至るカミングオブエイジ…骨ごと全部味わいたいイーター(食人族)カップルによるロードムービー

2023年2月18日
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ただの友達
自分みたいな存在が"この世に自分一人だ"と思えば、仲間(同族)に出逢えばもっと嬉しくて安心したり落ち着いたりしてもいいはずなのに、彼女の心はざわついたまま。社会不適合者という烙印や、"自分は彼らとは違う"という認識。それらを際立たせるように、実際出てくる同族たちはヤバめなキャラ多くて観客も安心できないだろう。それらを通して描かれるのは、思春期や大人の階段を上るにつれて身体的変化などで戸惑う気持ち。それはニキビでも天パでもオタクでもなんでもいい。そうした"こうじゃないはず/こんなはずじゃ!"という蔑み、あるいは劣等感みたいなものも扱っているように思えた。

恋人同士
テイラー・ラッセル主演 × ティモシー・シャラメ共演 × サリーことマーク・ライアンスの怪演も光る!流れるラジオや中性的な服装など80sを感じる。シャラメの髪の色含め。『君の名前で僕を呼んで』監督主演コンビによる異色の(と言うほどかはさておき)恋愛映画で、『君の名前で僕を呼んで』要素も ✕ 珍品リメイク『サスペリア』要素も見い出せそうだった。トレント・レズナーによる音楽サントラでもポイントを稼ぐ。極め付きは、お洒落編集が鼻につくルカ・グァダニーノ監督だけど何を思い上がっているのか、エンドでタイトルの前に「ルカ・グァダニーノの」と付いていたときは、『ネオン・デーモン』での「NWR」に近いものを勝手に感じて少し芳ばしかった。

とぽとぽ