「毒を食らわば皿まで」ボーンズ アンド オール ますぞーさんの映画レビュー(感想・評価)
毒を食らわば皿まで
予告でなんじゃこりゃと思いつつ
何度か観てるティモシー・シャラメ出演だし
どんな役回りかと興味持って観賞
…感想としては
「純愛ホラー」ねぇ…
どの程度その「属性」に支配されて
いるのかが取り出せずただただ
行動原理がぼやけて浅い感じ
カニバリズムという
突拍子もないテーマを取り扱う
ようで全然やれてない
(やる気はなかった)感じ?
少なからず「当事者」がいる
事柄であることを考えると
見た目以上に軽いノリ
たぶん1980年代くらいの
情報がまだ錯綜してないネットレスな
世界のアメリカ
学校で女子お泊まり会に誘われた
厳しい父と二人暮らしの
マレンは話をしている少女の
指を不意に…「食べだして」しまい
血まみれになりながら自宅に
帰ると父は抜け出した理由も聞かず
一緒に荷物を抱えて逃げ出します
マレンは人を食べたくなる
衝動が抑えられない
そしてそれらの行為の記憶を
ほぼ失う(無意識にやる?)
という習性があり
それが原因で母とはもの知らぬ
間に離別
やがて父も出生証明書と
いくらかの現金
そして独白した肉声テープのみ
を残して消えてしまいます
マレンは悲しみに暮れると
ともに自分の出生の真実
母に会いたいといった気持ちで
証明書にあった場所へ向かいます
その途中サリーという
「臭いで分かった」と言う
怪しい初老の男が声をかけてきます
サリーは「同族は食べない」と言い
家に誘い食事をごちそうすると
言いますがどうも様子がおかしく家の
二階にあがると心臓発作か
何かで倒れている老婆を発見
マレンは助けを呼ばなきゃと
最初は言いますが衝動に勝てず
思い悩んだ末
その老婆が朝に亡くなったところで
二人は…
サリーは色々自分の話をし
食べた人間の頭髪を
繋いでロープにするなど狂気的で
怖くなったマレンはその場を
逃げ出します
その後次の町で染みついた臭いを
取りたいが金もないので
スーパーで物品をくすねていると
リーという青年がチンピラのおっさん
の気を引いて見逃してくれます
しばらくしてマレンがスーパーを
出ると血だらけになったリーが
向かいの建物から出てきて…
お前もかい!
そこでリーと知り合い
マレンは母のところへ一緒に
行ってほしいとリーに告げると
アッサリ受け入れます
サリーもそうでしたが
こんな習性がある者同士
孤独を感じている部分は共通で
二人はやがて愛し合うように
なります
どうもこの人食い習性
食べないと飢えて死ぬとか
ではないようで普通に
飲食もできるようです
(それでは物足りないとか
味がしないとかって描写も
とくにないんでいまいち
重みがわからないんですが)
途中ほぼ自分の快楽のために
捕食する男たちなどに出会い
マレンは困惑しますが
どうも食べたくなるのは
衝動にまかせたかどうかで
制御できるのは自分次第の
ようです
リーはマレンと違い母も妹も
いて家庭には恵まれてますが
習性はある程度仕方のない
ことだと割り切っていますが
どうしようもないクズそうな
奴を狙っていたようです
しかし遊園地で襲った
ゲイっぽい男は家を調べると
妻も子供もいてマレンは
ショックを受けますが
ひとまずその場を逃げ出します
そして二人は母の実家に着き
母の現在を訪ねると精神病院に
いると聞きそこへ向かうと
もはや精神が崩壊し
両腕を失った人間がいるだけ
崩壊する前に書いたという
手紙では途中マレンが見る
悪夢の中で父が人食いを
する側だったかのような
描写もありましたが
衝動を抑えられなかった
のは母のようです
真実を知りショックを受けた
マレンは自分はコントロール
すると言いますが
リーは自分の考え方を
変えようとしません
そこでいったん二人は
別れます
その後マレンは
ずっと追いかけていた
というサリーと出くわし
あの女みたいな男と別れたのなら
一緒にいないかと言われますが
こんなストーカーオヤジは
嫌じゃと拒絶すると途端に
ブチギレられます
このオヤジがじつにキモくて
キモくて絶妙なのです
そこから一か月後
マレンはリーに会いに行くため
リーの金髪がきれいな妹に
居場所を聞くと色々教えてくれて
粗暴な父にDVを振るわれたところで
リーは妹を守るために抵抗し
父は死亡したためリーは
殺害容疑もかけられたが
無罪になったという話を聞きます
マレンにはその真実はわかって
いましたが二人は再会し
リーの考え方も理解し
衝動を抑えて社会で普通に生きて
いこうと街を移って
暮らし始めます
マレンは本が好きなので
図書館の職員を務め
二人で仲良く暮らしていました
しかしそこへやってきたのは…
やはりサリー!
一緒にならなかったマレンを
ストーカーよろしく殺しに来ます
同族は殺さないとか言ってた
サリーはもうそんな自分ルールは
なくただの殺人鬼
そこへ駆けつけたリーと
もみくちゃになりマレンは
サリーの息の根を止めます
やがてマレンはサリーの
持っていた頭髪のロープに
「見覚えのある金髪」も
結ばれていました
この乱闘でリーも肺に重傷を
負っておりリーは自分を食べろと
マレンに言います
しかしマレンは否定します
そこで画面は暗転し…
風舞う草原で寄り添う裸の二人を
少しずつ迫りながらやがて終わって
いきます
うーんなんというか
カニバリズム自体は
宗教的にであるとか
精神的に異常な状態でそうした
行為に至るとか
極限の飢餓状態で緊急的に
といった前例があるわけで
それ自体を主体的に扱っている
今作とは関連性はないと
思います
つまり結局のところ
マイノリティや
特殊な性癖であるとかを
比喩的に扱いたいって
意図が見え見えなのです
それでも社会に溶け込めるか
どうかは自分次第だよ
みたいなね
そのへんを指して
「とことん食い尽くせ」
( Bones and ALL )
というタイトルなんですが
言いたいことがちぐはぐ
マイノリティを認めろと
世間に主張いう最近の
風潮ですか?
80'sビジュアルは美しいし
これぞ細マッチョの究極形態
と言えるシャラメの魅力は
たっぷり感じるので
まぁうら若き女性ファンは
それだけでも観れ…
でもこのテーマで観に行きたくなる?
昔シュワルツェネッガーが妊娠する
っていう映画がありましたが
あれ誰が見たかったんですかね?