劇場公開日 2023年5月12日

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「SNS世代によって駆逐される 旧世代の断末魔」TAR ター きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0SNS世代によって駆逐される 旧世代の断末魔

2023年12月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「弱い者は去れ」。それでいいではないか。

昭和の人間として、同世代の同志=TARを観る。

・・・・・・・・・・・・・

東京藝大の指揮科は、入学定員は2名。
卒業しても安定した仕事場はまずない。
世界で活躍しているトップの指揮者など、ほんの片手の数だ。
厳し過ぎる前途だ。

TARは指揮者として、また教師としてどこかしら横暴なのだろうか?
僕はそうは思わない。
ついて行けない者はふるい落とされて脱落すれば良いことだ。
落後者たちは「自分にはこの教師に師事できるだけの素養も将来性もなかったのだ」と、黙して思い知れば良いだけのことだ。引けば良いのだ。
それでも熱い夢が続いているのなら、別の道を自身で探せば良いだけのことだ。

音楽院の学生でTARの助手を勤めるフランチェスカが、「冷たくされた」と思い込み、逆恨みをしてTARに対しての総攻撃を仕掛けたわけだが。フランチェスカは、自分が「甘ったれが許される幼稚園児」ででもあったつもりなのだろうか。

この映画作品は
【新世代と旧世代の断裂】、並びに
【旧い時代の終わる様相】をテーマとして、
「マエストラの失脚」というストーリーを題材に重ねて、時代の焦燥を厳しく抉っている。

「少子化」が、
世界中の経済と文化を蝕んでいるのだ。
「少子化」が、
人類の足跡、そして未来を破壊しているのだ。

=人手が足りない。
=労働者が集まらない。
だから採用基準は徐々にゆるくなり、クソを採用しなくてはならなくなっている。

宮仕えの正社員なんかになるよりも、彼らは即席YouTuberになって、脚光を浴びる丸儲けの人生を得たいと思っている。
彼らは市民として投票所に行くよりも仮想空間のメイドカフェでうつつを抜かしたいと願っている。
渋々就職はしてくれても、一週間で辞められてしまっては困るものだから、蝶よ花よと新人類は大切にされて、おだてられて、
そうして若者は大人の世界を舐めくさって、組織を(=オーケストラを) 掻き回してくれるのだ。

・・・・・・・・・・

【指揮者の日常を撮る貴重な映画】
劇中、
いくつかのクラシックの名曲が登場するが、メインは「グスタフ・マーラーの5番」だった。
冒頭の4音が「タタタター→、タタタター→、タタタター↗」と幽玄の彼方から聴こえてくるような、トランペットのファンファーレで始まる あれだ。

交響曲の作曲家たちは一つのジンクスを意識してきた、
それは第1に「ベートーヴェンの9番」についてのもの ―
《交響曲を9曲作った作曲家は死ぬという言い伝え》だ。
マーラーはそれを嫌い、8番と9番の間に「大地の歌」を挿入したのだが、結局彼も例外ではなく、9番を仕上げたところで彼は没した。
第2に、
ベートーヴェンの最高傑作「交響曲第5番=運命」を意識し、作曲家たちは取り分け自作の「5番」には自分の音楽家としての全てと、師ベートーヴェンへのリスペクト注ぎ込んできた。
ゆえに
マーラーが書いた「5番」のファンファーレは、ベートーヴェンの「5番・運命」の「タタタターン↘」の4音の音形をオマージュ引用している。
(※動画)

その「鬼門の5番」への挑戦。
そしてついに「9曲 全曲録音完成」のコンプリートだ。
何かが起こるに十分な序章だ。

ベルリン・フィルでのライブ録音に、満を持して挑戦するTARに「トラップ」が襲い掛かる。

・・・・・・・・・・・・・

【変質する情報社会】
今どきのゲーム世代や、SNSでの匿名中傷フリークたちが、親世代の大人の社会と、人類がここまで築いてきた荘厳な文化をあっという間に絶滅させてゆく時代。
人間の劣化。軽薄にして陰湿だ。
―その恐怖の有り様を、この「TAR」は見せてくれている。

孤高の教師TARに対して、
「死なばもろとも」と、報復の巻き添えを画策して自爆をした元弟子クリスタやフランチェスカ、
エルガーのチェロ協奏曲をやってのけた若者世代=フランチェスカ支持者のオルガ。
そしてパートナーのTARよりも風評を信じるシャロン。
そのどちらがより正しくて、より狂っていると思うのか・・
それは今現在のこの世界の趨勢が判断して、結論を出すことなんだろう。

爛熟した文明は、登りつめた栄華のあとに、いずれの地においても、戦争と倫理の乱れと疫病で没落していった。
頂点を極めたはずのあの都市たちは、どれもたがわず廃墟となり、滅亡した国家の遺跡と化している。
それは黄河、インダス、ギリシャ、そしてメソポタミア。
"あの没落” が、いまはとうとう全世界を巻き込む規模で、我々人類の歴史を爛熟から終焉へと導いて、自滅へ向かってスタートしているのだと、僕は思っている。

巷のニュースのすべてが物語るのは
山肌を1個の小石が転がり落ちるとき、僕らが見る現象=それは大きな山脈がいつかは崩れ去って跡形もなくなる未来の、それは紛れもない目撃であり、一コマなのだということ。
「そんな大袈裟な」と言われるかもしれないが、コロナよりもはるかに感染力が強く、人類をINTER-NETして伝播する新しいウイルスは
そこまでの破壊力を持っていると思う。

フェイクニュースが巷に流れる。
真贋の見分けがつかない動画も溢れる。
産業も 通信も 銀行も止まる。
それらは悪ふざけを競うハッカーたちばかりでなく
国家間での情報戦として、実弾と遜色ない威力で敵陣を惑わせ、民心を迷わせ たぶらかしている。

「何が本当のことなのか」
もう誰にも分からない世の中ではないか。
リアルよりバーチャル、
肉筆よりも 生成AI、
肉体労働よりも3Dプリンター、
面会よりもリモートだ。

熱弁を飛ばし、熱いタクトをふるい、
激しいジョギングで自分の雑念と闘い、
サンドバッグを殴って己の弱さを叩きのめそうとする指揮者のTARに、
僕は強く惹かれる。
が、そういう昔のおじんである僕は
小さなきっかけでTARと同じ「おやじ狩り」の標的となり生贄とされるんだろう。

顔面蒼白。白塗りのメイク。
時代遅れで、VHSテープを観ていて、若者文化に疎いTARは、スマホのチャットによって呆気なく葬られていくのだ。
これは明日の私たちの姿。

フィリピンの奥地に逃げて行ったって、そこには最早 着ぐるみの化け物しかいなかったというラストシーンに
鳥肌が立つ。
デジタルデトックスは、もうこの世では不可能なのか。

顔も声もない匿名のバーチャルワールドの隆興によって、早晩人類は滅ぼされてしまうのであろうけれど
「その前に、このわたしの断末魔も聞きやがれ」と
リディア・ターの目は語っているのだろうと思う。

・・・・・・・・・・・・・

マーラーの5番のファンファーレは、
世の終焉を告げる葬礼のラッパ。
世界の終わりを嘆く、絶望的な閉塞感と死の扉の軋みのように聴こえてならなかった。

·

(※)
楽譜付きマーラーNo.5冒頭動画
Curtain up for Mahler!
#trumpet#sheetmusic

きりん
たなかなかなかさんのコメント
2024年9月12日

きりんさん、コメントありがとうございます♪この様なお褒めのお言葉を頂けると今後の励みになります😭あ、一つ言わせていただくと「モンハンワールド」はモバゲーではなくビデオゲームです。確かにモバゲーには金を巻き上げる事だけを考えた屑みたいなものが多いですが、今のビデオゲームは映画にも劣らない素晴らしい作品が沢山ありますので、そこだけは認識して頂けると、いちゲーマーとしては嬉しいです🙇

たなかなかなか
きりんさんのコメント
2024年9月9日

たなかなかなかさん!

ブラボー!
小さなサイトに残しておくのは本当にもったいない論文です。読み応えがありました。

「モン・ハン」についてはまったく不見識でしたので、東南アジアでのあの演奏会、そして聴衆のあのコスプレの意味を、ここまで明確にかつポジティブに解説していただき幸甚です。

でも僕の中にはあのコスプレをば生理的に受け付けない感情と、ジャングルの奥地でさえ商業主義のモバイルゲームに毒されていた若者たちの姿を見てしまったラストシーンで
主人公ターの新天地での活躍にでさえ、ものすごい暗雲を感じた次第です。
そこ、レビューアーの解釈が別れるのが面白いのですがね。

共感ありがとうございました😊
ではまた。

きりん
ひでちゃぴんさんのコメント
2024年8月13日

きりんさん、共感&コメントありがとうございます!ターのキャリアを紹介する冒頭の場面から、ターがある意味神格化するくらいのイメージが焼きつきましたが、その後のプライベートでの場面(隣人から演奏がうるさいと言われた後のターなど)やオルガから歯牙にも掛けない扱いを受ける等、身近に感じられるようになりました。であるがゆえ、私はラストを明るく捉えていたのかもしれません。

ひでちゃぴん
じゃいさんのコメント
2024年1月19日

『怒りの日』でコメントありがとうございました!(直近の映画で僕も観たこちらでお返事させてください)コメント欄の件、そうだったんですね! わざわざ教えていただいてありがとうございます!
とはいえ、積極的に運営に連絡するほどのやる気も社交性もないもので、欄がなかったら書く気にならないかも・・・(笑)

じゃい
pipiさんのコメント
2023年12月22日

きりんさんの仰ることはとても良くわかります。
この宇宙もすべての生命もエントロピー増大の後に熱平衡に至るのは明らかですからね。

でも地球の46億年、宇宙の150億年に比して人類史はまだたかだか500万年、文明史にいたっちゃ1万年未満ですから。
人間の時代の終焉はいつか必ず来るでしょうけれど、恐竜だって2億年以上頑張ったのだから、人類もまだ1億年くらいは大丈夫かもしれませんよ^ ^
とりあえず「次の1万年延命」に向かってチャレンジです。

ネットの追い詰め行為に加担しているのは所詮「本人を直接は知らない大衆」
TARが表舞台に出なきゃそのうち飽きます。次のオモチャが現れればこぞってそちらになびきます。
冬の季節は頭を低くしてやり過ごせば、また春は来る。
ITというアイテムが出てきたとしても、その本質は中世の魔女狩りとな〜んにも変わっていないと思うのですよ。
中世は地球上で身体を移動させられる距離もたかが知れてますから、「本人にとっての実質」という意味ではTARの受けたネットリンチと大差ないんじゃないかな。
「人間の時代」を俯瞰で観察すると、もしかしたらまだまだ青春期、それどころか赤ん坊の域すら出ていないかもしれませんよ。

さて、きっとこのように鑑賞者同士で思索と議論を取り交わす事が、監督とケイトの望みだったのでしょうね。
楽しい会話をありがとうございました。

きりんさんも良いお年をお迎えくださいね。
(あと2本レビュー書く予定ですが、なかなか書く暇がなーいー(苦笑))

pipi
きりんさんのコメント
2023年12月21日

↑↑
pipiさんお返事ありがとうございました!
返信はpipiさんの「TAR」レビューへのコメント欄に送らせて頂きました。

きりん
pipiさんのコメント
2023年12月18日

ラストシーンは、私はむしろ「希望」が描かれていると思うのです。
支配欲・権力欲が動物的本能からきているのだ!と、人類皆が気付き、己れの支配欲を適切に制御出来たならば。

感情に流されず相手の真意を理解しようと歩み寄り、互いに認め合い、赦しあえたならば。

インターネットもコンピューターも「ただの道具」
鉄人28号じゃありませんが、使う人間の心次第です。

今の時代は、爛熟から終焉へ、ではなくて、「光の時代へ移り変わる為の過渡期」「新旧が混ざり合い、幼虫が成虫に生まれ変わるための蛹の大変革と苦しみ」だと考えています。
万物の霊長などと驕る気はありませんが、自分の中の旧皮脂の声に耳を傾け、流されるのでも抑え込むのでもなく心地良く制御し、せっかくの新皮質を活かす生き方をしたいものだ、と思うのです。

映画というツールを通じて、旧皮質の声を聞き、新皮質をトレーニングする活動を新世代の若者達と共にできたならば。
争いの無い未来を創っていく事は出来るんじゃないかな。
TARはそんな気持ちにさせてくれる映画でした。
長文失礼しましたー(汗)

pipi
pipiさんのコメント
2023年12月18日

インターネットの功罪については、きりんさんがレビューで書いておられる通りだと思いますが、これはパソ通時代以前からわかりきっていたこと。
ネットリテラシーに不慣れな一般大多数をワールドワイドウェブの海に放り込めばどのような事が発生するかは火を見るより明らかでした。
ただ、これを新時代・新世代と旧世代との断裂だとは私は考えておりません。
ネットという道具は危機を凄まじい速さで広範囲に伝播させる力をもちますが現在生じている緒問題の根幹は、「人の孤立化」「社会的問題を個人の自己責任で片付けさせる風潮」「或いは「家族」という小単位に責任のすべてを押し付ける風潮」から来ていると思うので、また別の議論になってしまいますから今はやめておきますね。

pipi
pipiさんのコメント
2023年12月18日

きりんさん
コメントありがとうございます〜♪

そうですね。
私も支配欲・権力欲は大脳旧皮質に「生きる手段」「自分の種を残し繁栄させる手段」として刻み込まれた本能的なものだと思います。
なればこそ、新皮質が大きく発達した人類は「動物的本能」に従うだけでは勿体無いと思うんですね。

人は大抵、論理よりも感情で動きます。感情は本能のメッセージが表出したものの一つかもしれません。
だから、自分自身の感情を言語化して自己分析し、それがどのような本能による衝動なのかをメタ認知できたなら、人は「自分の感情に流される事」から脱却出来るんじゃないかな、と思うのです。

pipi
グレシャムの法則さんのコメント
2023年12月18日

きりんさんのレビューが深いので、恥ずかしいのですが、最近、一部の人たちにとっての〝出来る人〟の定義がもの凄く浅くなったように感じます。つまり、効率よく要領よく成果を上げる人に憧れる。本来、何かを身につける修行は、そもそもなんのためなのかわからない礼儀作法から入ったりするうえに、何かを体得するには何年も何十年もかかったりする。今の世の経済的成功者には、身体的に身銭を切った人が少ない気がします。動物は心よりも身体で生きてます。ダジャレのようですが、心得違い?かも。

グレシャムの法則
こころさんのコメント
2023年12月18日

きりんさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
今の若い人達は、情報や選択肢を知る手段が沢山有って恵まれているとは思いますが、その一方で、溢れる程の情報に惑わされたり、他者と比較して無駄に疲弊したり、自身を見失う可能性も含んでいるようで可哀想に感じるところもあります。
デジタル化が加速する今、二極化が更に進みそうで怖くもあります。

こころ
きりんさんのコメント
2023年12月18日

talismanさんお返事ありがとうございました😊

人が作り、人が歌い、人が演じたものにグラミー賞を与えたいという表明はナイスです。
talismanさんはバレエの舞台や演劇を、じかに観に行くのがお好きですもんね♥️

僕も時々たまらなくくたびれた時は、演目に関わらず、下北沢の小劇場に駆け込んだりしています。
「人間が見たい」
「一生懸命な人間の身体が見たい」
「躍動と汗が見たい」、
ただその一心で。

きりん
talismanさんのコメント
2023年12月18日

🔺Bravi!

talisman
きりんさんのコメント
2023年12月18日

以下、
本日飛び込んできたニュース

グラミー賞が、AIのみで作られた作品を選考対象外とするガイドラインを発表した。主催のザ・レコーディング・アカデミーは、「創造に人間が全く関与していない曲」を全てのカテゴリーで賞の該当作品として認めないという。
一方でAIの部分的関与については考慮するものの、人間による「有意義な貢献」は必須条件であるとして、同アカデミーのCEO、ハーヴィー・メイソンJr.氏はこうコメントしている。 「AIの声で歌われた曲やAIの楽器演奏については考慮します。しかし、ソングライティングに関連したカテゴリーでは、大部分は人間が作ったものでなければいけません。パフォーマンスのカテゴリーでも同じです。人間のパフォーマーのみがグラミーでは対象となります」「現時点で、我々はAIの音楽やコンテンツの入った作品を認めていますが、グラミーは適正なカテゴリーの中で創造的な貢献をして人間のクリエイターのみに授与されるべきものです」

きりん
talismanさんのコメント
2023年12月18日

きりんさん、怖がってません、大丈夫!震えたのは恐怖でなく、大きな共感と感動ゆえです。匿名のソーシャル・メディアは嫌いだし、名前や顔を出すものにも関心ありません。それで充分に楽しく生きているし太陽は回ってる!

talisman
きりんさんのコメント
2023年12月18日

talismanさんまで
怖がらせてしまってゴメンナサイ😁(笑)
でもものすごくタイムリーな、時宜を得た作品だったと思うのです。

「匿名の文字」が、スマホやパソコンの画面から、人が死ぬまで寄ってたかって攻め続けるなんて、誰がむかし想像したことでしょうか⁉️
誰かを苦しませて、世論を炎上させるほどそれが発信元の収入になったりするとか、あって良いことだろうか⁉️
人間の心に潜んでいた、抑えておくべき弱さや狡猾さ、悪いものが噴出しているんです。

でもこの映画がそれでも何とか気品を保っていたのは、凛とした音楽と、首席指揮者の生き様の輝きと、毅然としたTARの佇まいのお陰だと思いました。

きりん

きりん
talismanさんのコメント
2023年12月18日

きりんさんのレビューに納得し共感し心まで震えてしまいました。ついてこれない人は早く去って欲しいと思っていた20年前、今は自分が去るべし、目立たないようにすべしと思う

talisman
きりんさんのコメント
2023年12月18日

こころさん
コメントありがとうございました。

TARと一緒に暮らすパートナーのシャロンでさえも、SNSや噂のほうを信じて最愛のTARと別れてしまったのが本当にがっかりでした。
いろいろ怒りがいっぱいいっぱいで、こんなレビューになりました。
脅かしてスミマセンでした
😞💦

きりん
こころさんのコメント
2023年12月18日

きりんさん
レビューに書いていらっしゃるように、終焉へと向かうとしたら恐ろしいですね。
リアルよりバーチャル、実際には知らない事を、まるで知っているかのように思い込んでしまう。間違った情報の場合、これもまた本当に恐ろしい事ですよね。
「 TAR 」にそのような強いメッセージが。有難うございます。

こころ
きりんさんのコメント
2023年12月18日

「指揮台で感極まることは?」
「どうやって気持ちをとりなおしますか?」
とファンから訊かれるシーンが好きでした。
あそこに立って音の渦の中心にいる人間にしかわからない至極の境地ですね。
吹奏楽部やコーラス部にいて、練習でも本番でも泣けてきてしまう体験があった僕には、TARこそは親友です。

きりん