「158分はそれにしても長い」TAR ター モロもろきゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
158分はそれにしても長い
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「衝撃のラスト」に誘われて公開前から期待していた映画だったのですが、自分の中でハードルを上げすぎたのかそこまでといった感じ。
やっぱり158分は長くて、序盤が少し冗長に感じた。後半面白くなってくるところでトイレ我慢しなきゃいけない。
勿論ケイトブランシェットの演技は凄くて、キャラクターなのに実際にいるんじゃないかと思わせるようなリアリティ。
この映画の面白いところは、断片的な情報しか与えられていないので結局のところ真偽は分からない。そこを補完するパズルのような映画だと思った。
圧倒的なカリスマが権力による搾取や横暴を振りかざしていたら、告発により瓦解して全てを失うといった構図に取れる。
しかし、ベルリンフィルで客演から首席指揮者まで登り詰めたのも妻シャロンの手引きであったり、インタビューの回答もフランチェスカによるものだったり、実際は周りによって造られたのが正しいのかもしれない。
ラストのモンハンコンサートは追放された果てに辿り着いた転落の終着点に取れるし、実家に戻って涙した音楽番組のように、「音を楽しむ」と書いて音楽の原点に立ち返った新たな出発点にも取れる。
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