「レトロフューチャーが織りなす新たな序章!」ファンタスティック4 ファースト・ステップ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
レトロフューチャーが織りなす新たな序章!
■ 作品情報
マーベル・コミックスのスーパーヒーローチーム「ファンタスティック・フォー」を原作とする2025年のアメリカ映画。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第37作目であり、過去に複数回映画化されてきたシリーズの2度目のリブート作。監督はマット・シャックマン。主要キャストは、リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティックにペドロ・パスカル、スー・ストーム/インビジブル・ウーマンにヴァネッサ・カービー、ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチにジョセフ・クイン、ベン・グリム/ザ・シングにエボン・モス=バクラック。惑星を食らう宇宙神ギャラクタスをラルフ・アイネソン、その使者シルバーサーファー(シャラ=バル)をジュリア・ガーナーが演じる。
■ あらすじ
1960年代を舞台にしたレトロフューチャーな世界。天才科学者リード・リチャーズ、その妻スー・ストーム、彼女の弟ジョニー・ストーム、そしてリードの親友ベン・グリムの4人は、宇宙ミッションの最中に起きた事故により特殊能力を得る。 彼らはその力を使い、「ファンタスティック4」としてヒーロー活動を開始し、人々から愛される存在となる。 しかし、スーの妊娠に沸き立つ喜びの陰で、リードのある言動がきっかけとなり、惑星を食い尽くす宇宙神ギャラクタスが地球に襲来する脅威が迫る。 滅亡へのカウントダウンが始まる中、人々の批判に晒され、ヒーローとしてまた一人の人間として、どうするべきかを思い悩む4人は、固い絆で結ばれた家族とともに世界を守るために立ち上がる。
■ 感想
その昔、タイトルは思い出せませんが、あるアニメで“ゴームズ”とか“ムッシュムラムラ”とか観たような記憶がうっすらあります。たぶんあれがファンタスティック・フォーだったと思います。そんな思い出もあり、予告からの期待もあり、IMAXで鑑賞してきましたが、その期待を裏切らない迫力とおもしろさがあります。特に、レトロフューチャーな1960年代の世界観が非常に魅力的で、耳に残るワクワクするようなテーマ曲が、作品全体のテンションをグッと引き上げてくれます。
ファンタスティック4の4人が持つ特殊能力が、最新のVFX技術によって見事に映像化されていて、そのアクションシーンは圧巻です。予備知識が全くない状態で観ても、物語が非常にシンプルでわかりやすく、深く考える必要がないため、純粋にエンターテインメントとして楽しむことができます。
ただ、そのシンプルさゆえに、物語に深みがなく物足りなさを感じる点もあります。人々がファンタスティック4に頼り切りで、その崇拝と手のひら返しがかなり単純に描かれているのが気になります。また、宿敵ギャラクタスも巨大なだけで、その出自や能力、星を喰らう理由が不明瞭な上に、これまでシルバー・サーファーをこき使ってきたくせに最後だけは自ら地上に降り立ったのも意味不明です。この行動がなければ、リードの作戦も破綻していたはずで、そもそもの作戦がかなり運任せだったように思います。
これだけツッコミどころ満載なのにもかかわらず、このレトロで牧歌的な未来世界という設定のおかげで、そうした気になる点を「まあいいか」と許せてしまうのが不思議です。全体のトーンとしては、良くも悪くも緩さを感じる作品です。
本作は、次の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』への布石として、ファンタスティック4をお披露目するための軽い位置付けなのかもしれません。この独特の雰囲気が、今後のMCUの流れにどう合流していくのか、今から良い意味での裏切りを期待しています。
共感&コメントありがとうございます。
ファイヤーボーイ、ガンロック(ムッシュムラムラ言う)と日本では名前を変えてましたが、何故かスーはスージー、正式な本名は知りません・・。


