「経営者として“フレンドシップ”の可能性を再認識する」ファンタスティック4 ファースト・ステップ 林文臣さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0経営者として“フレンドシップ”の可能性を再認識する

2025年7月25日
iPhoneアプリから投稿

『ファンタスティック・フォー[ファースト・ステップ]』は、4人の若き科学者が偶然の事故で超人的な能力を得て、それぞれの変化に苦悩しながらも“チーム”として成長していく姿を描いたSF作品である。経営者の視点から見ると、この映画は「才能ある個人」が「目的ある集団」となるまでのプロセスを、痛烈かつリアルに描いた、組織づくりの教科書のようにも映る。

彼ら4人が力を得た直後、能力の違いがむしろ溝となり、それぞれが孤立する。この姿は、ビジネスでもありがちな“個の能力の暴走”を象徴している。経営の現場では、どれほど優れた個人が揃っていても、フレンドシップ=信頼と共通の目的意識がなければ、チームは崩壊する。その点で本作は、バラバラだった4人が共通のビジョンを持ち始め、「自分たちは人類の未来のためにこの力を使うべきだ」と意識を共有していく過程が非常に示唆に富んでいる。

また、能力を得た彼らが「最初から完璧なヒーローではない」という点も重要だ。経営もまた、最初からうまくいくことは少なく、むしろ失敗や摩擦の中で人と人との関係が磨かれ、強くなっていく。まさにこの“不完全さ”の中に、組織や関係性の可能性がある。

最終的に彼らは、敵ドゥームに対抗するため、初めて「チーム」として力を発揮する。経営における危機的状況も同じで、本当の力は一人ではなく、信頼関係とフレンドシップに支えられたチームにこそ宿る。

この映画は、ヒーローものという枠を超えて、「仲間とともにビジョンを実現する」ための心構えを教えてくれる。ビジネスの現場でも、この“ファースト・ステップ”を踏み出す勇気と覚悟が、未来を切り拓く鍵となる。

林文臣
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