サンダーボルツ*のレビュー・感想・評価
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チーム・サンダーボルツ誕生
これまでのMCUでわき役だった連中を集め、チーム・サンダーボルツができるまでを、回りくどく描いてみせた。ややかったるい。
「ブライトバーン」の邪悪なスーパーマンみたいなのも、出てくる。
おまけ映像でチームの今後がほのめかされるが、まさかあのシリーズと合体とは‥‥。
サブキャラたちの敗者復活戦を楽しんだ
マーベル映画は、大して面白そうでなくても次があるから観ておかないとという気分になる。もはや惰性に近い。ドラマは観ないで映画だけフォローしている身としてはすべてを把握できていないのは若干つらいがある程度割り切るようにしている。
それでも本作は「ブラック・ウィドウ」で初登場したフローレンス・ピューがメインキャラの一人として活躍する映画。あぁ、そんなキャラもいたなくらいの人が登場するが、前の作品が古すぎて記憶がおぼろげ。ブラック・ウィドウがらみの2人とバッキーはここ数年の作品に登場していたから、さほど置いていかれた感覚はない。お目当てのフローレンス・ピュー演じるエレーナがとてもよかったからそれだけでかなり満足。あの悪態をつく感じはマーベル映画の中ではかなり貴重だ。
マーベル版「スーサイド・スクワット」的な作品として楽しみにしていたが、悪人が集まってチームを結成するというより、落ちこぼれたちの敗者復活というか成り上がりを楽しむ映画だった。それぞれのキャラが好き勝手に動きながらも次第に結束していく姿はなかなか感動的だ。個人的には、スポーツものでありがちなこんな展開に弱いから評価は高め。
ただ、敵が攻めてきたわけではなく、アイツに操られたアイツが暴走したのを抑えるってことがクライマックスになるから、思いっきり戦って勝利した!みたいな結末にはならない。しかもアイツの悪行はうやむやなままだし。それでも、直前の予告でやっていた「ファンタスティック4」を含めて今後も楽しみな新しいシリーズが始まったことが素直に嬉しい。今後はもう少し惰性じゃなくマーベルに臨むことができる。
良くなかった。
たぶんダメだろうと低い期待値で観たけど、低い期待値どおりビミョーだった(笑)
カリスマ性みなぎるフローレンス・ピューだけ浮いてて、
並んでもカッコイイと思えないサンダーボルツの面々。
スーパーヒーローの落ちこぼれ設定だけど、メンツが残念な感じ(笑)
あと、好みの問題でしょうが作品自体もコメディっぽくて好きじゃない。
マイティ・ソーも『ラブ&サンダー』はキライだし、もっとシリアスでクールなのが観たい。
今後のMCUも不安です(笑)
スッキリしないので、とりあえず、もう1回観ます。
評価が変わるかも?
IMAXで観たけど、画角は常にIMAX画角じゃなく、IMAX画角と通常画角が切りかわります。
エンドクレジット後にも、続きがあるので明るくなるまで立たないで下さい。
悪者がしれっと逃げ切るシナリオは嫌だ!(笑)
おそらくマーベルの中ではデッド・プールに次ぐくらいのブラックコメディタッチの作品だと思います。倫理観のハードルもやや低く、細かいことは気にぜすに気軽に鑑賞しましょうっていう雰囲気が満ちているのは非常にとっつき易くてむしろいいことだと思いました。
ただ、表題にあるように今回は一番の悪者が、何事も無かったかの様にしれっと逃げ切ります。ネタバレ投稿ですが誰とは言いません(笑)。こういうところはキッチリブラック効かせて成敗(抹殺)しないといけないのですよね?
お国柄なのか、マーベル独特のテイストなのか、はたまたデズニーあるあるなのか知りませんが、わざと決着つけないで話を長引かそうとするのは、本当、駄作化の原因になるので止めてほしいです。
それ以外、シナリオとかアクションとかは、なかなか上手く出来ていたと思います!
では。
オルガの扱い酷くない?
フローレンスが最初に語るように、何の目的もなくダラダラと続いているような“虚無感”しかない作品。
ただ、さすがに力で正義を押し付けてきた彼の国だけあって、優愛で改心させる事が理解出来なかったのか、クライマックスはあっさりしていた。
ココロと向き合う!
これほどまでにココロと向き合ったmarvel作品があっただろうか?
それを映像として表現しているのが素晴らしい!
以前からフローレンスピューは好きで圧倒的な存在感がありながら人間味あふれる魅力を今作品でも感じられる
迷走気味のmarvel作品を救うのはフローレンスピューの魅力ではないだろうか?
ニヒリスト的で情に熱く弱さを見せても強く闘う!
妹的でありながらアネキ肌!
自分でも何を書いてるのだろうと思うが!
彼女を中心にニューアベンジャーズ が動くなら大いに期待できる!
宣伝では悪党版アベンジャーズ のような面白さで喧伝されているが、それは表層的な面白味であって真にはサンダーボルツの面々の過去とココロとの対峙でそれを打開できるのかを映像とアクションによって楽しめる!
最近、ココロのことについて考えることが多かっただけにいろいろと考えながら見ることができたので良かった
エンドゲーム を観終わった時にはアベンジャーズ はナターシャの物語だと思った
ニューアベンジャーズ はエレーナの物語になるかもしれないと思えばこの作品こそ大きなファーストステップなのかもしれない
バッキーとエレーナありきと思っていたが、まさかのボブという伏兵
スネに傷があり、汚れ仕事を請け負っていたエレーナたちが、一か所に集められ、証拠隠滅として、まとめて消されそうになるが...というお話
前半は、デコボコメンバーが互いに文句を言いながら逃走していくのだが、正直退屈。
タスクマスターの瞬殺に「えっ」となり、コメディ部分もあまり笑えなく、このまま最後までいくと映画としてヤバいかなと
後半になって、この映画を救ってくれたのはボブ
正直、この映画は、主役二人がいればいいと思っていました。
キャプテンアメリカの第一作で、主人公の親友枠であったバッキー。
スタンドバイミーのリバーフェニックス、グッドウィルハンティングのベンアフレックくらい、「間違いない」ポジションで、そのあと洗脳されて暗殺犯になろうが、好感度は高いまま。
エレーナは正直、MCUの中ではそこまで目立っていないが、演じるピューさんは、今最も注目される俳優の一人。その声やルックスから何となく親近感が沸き、こちらも好感度高し
とはいえ、この二人でも前半の展開は少々厳しかったが、ボブの存在が映画のテーマとしっかりマッチしていて、ラストの展開もしっくりきた
ひさびさの「よい」ヴィランです
最後に、真のヴィランである、ヴァルが生命的にも政治的にもなぁなぁで終わったのは展開としてやむを得ないのでしょうか
今回の事件で、結構な死傷者が出たと思うのですが...
サンダーボルツのメンバーにそこまで肩入れするつもりもないし、勧善懲悪ばかりが良いとは思いませんが、せめて、刑務所入りはすべきだったかと
なんか、こういう落としどころ好きではないんですよね
MCUファンとして楽しめた。一方で惜しい点もあり。
MCU作品をどれだけ観ているかで、この映画の評価は大きく変わると感じた。
自分は登場キャラクターが関わる映画・ドラマは全て視聴済みで、各キャラクターの背景にも理解があるので、細やかな演出・会話も含めて非常に楽しかった。
印象的だったのは、これまで目立つことが少なかったキャラクターが、かつて敵だった立場を乗り越え、市民を守るために奮闘するシーン。キャラクターの成長を感じさせる展開に胸が熱くなった。また、キャラ同士ののコミカルな掛け合いも魅力的で、特に施設脱出シーンは面白かった。
一方で個人的に残念だったのはタスクマスターの扱い。
宣伝ビジュアルではタスクマスターもサンダーボルツの一員として活躍するかのように描かれているが実際には序盤で退場。あまりにも序盤すぎたので、後半で登場するかと思いきやそのまま再登場はなく少し拍子抜け。ここまで登場が短いのであれば、宣伝ビジュアルでも全面にタスクマスターを出す必要がなかったのでは?と感じてしまう。映画を観た後に宣伝ビジュアルを見ると、タスクマスターがどうしてもノイズに見えてしまうが惜しい。
最後に、
エンドクレジットでは今年公開予定の「ファンタスティック4」に繋がるシーンで終了。MCU作品の次なる展開への期待が高まった。また、バッキーがサムと会話した内容をエレーナに話すシーンも印象的で、今後彼らがアベンジャーズとどう関わってくるかもとても楽しみである。
え〜っとmarvelさん❓
marvel好きと言っても差し支えないと思う。
ほぼ全ての劇場作品の円盤持ってるし、
ちょこちょこ翻訳版のコミックも持ってる。
Captain America: Brave New Worldから約3か月で公開、否が応でも期待度は上がってた。
おまけに、評判もそこそこ良かった。
で、ちゃんと最後まで観て灯りがつくまで席を立たず、周りを見渡した。
私見だけど、コレじゃない感が漂ってたような気がした。
もちろん私もコレじゃないと思った。
トラウマを抱えたまま、強大な力を持ってしまい暴走させているちょっとイノセントなキャラを、コレまたトラウマをそれぞれ抱えた主人公たちが、「大丈夫、あなたは1人じゃ無い」ってハグして止める話って今更感とベタ過ぎで、どうしたmarvelって。
この映画は、フローレンス・ピューをどう思ってるかで評価が分かれるところはある。
私はちょっと苦手な方でその分辛口なのだと思う。ただ今回冒頭(えっここから始まるの?と少しビックリ)の、
世界で2番目に高いビルからのジャンプシーンが、
ノースタントと知って、そのやる気に好感度は上がり作品の期待度もアップしてた。
ただ、この二代目ブラックウィドゥことエレーナのキャラは少しブレてる気がずっとしてた。
姉ちゃん好きの跳ねっ返り妹キャラは良しとして、
ヴァルに姉の死の原因がホークアイだと言われて命を狙い、
真相を聞いて号泣しつつヴァルの仕事を続け、
その仕事に虚無感を抱いていて本作でやっと表舞台に出て自分を変えようとするのはまどろっこしいし、
姉がかつて犠牲にして自責の念に苛まれていた存在のタスクマスターの死を一言ですましたりするのは、どうなのかなぁ。
marvelのエンドゲーム以降の迷走ぶりは、マルチバースを扱い出した事が由来としてあるのは事実であるが、
実はドラマ等でキャラや出来事を広げた事を後々に映画であっさり隅に置いてしまう事が問題だったりすると思う。
ちゃんとケヴィン・ファイギ仕事してる?
なんか仕事粗くなってない?
こうなると次のファンタスティック4も心配で、本作のポスクレシーンを観るとちゃんとカタルシスを感じれる仕上りなのか不安だ。
まあ、バッキーの新コスチュームに星みたいなマークがあったので、⭐️一つ追加しときます。
落伍者達の逆襲
対エゴ
愛すべきオッサン馬鹿アレクセイ
コミック的荒唐無稽がいい塩梅。キャラクターも直情的でほぼノープラン。それぞれ性格的な欠点を抱えていてバリバリ共感できる。
ほとんど記憶から消えていたゴーストが登場。鋼鉄の壁もすり抜けできるんだったらほぼ無敵じゃん。そう思っていたら、特定の周波数の音波を受けると能力が発揮できない。しかも能力を発動できるのは1分だけ。
能力には制限事項があった方が面白くなると、マンガ編集者が言っていたのを思い出す。
ロシア人への偏見を凝縮したキャラのアレクセイ。ロシア人もこんなに単細胞であれば、世界も平和なんだろうけど、このオッサンは愛すべきバカ。娘の危機を知って、勝手に参戦。ウォッカを使った秘密兵器には驚いて笑った。
ポリコレ色がなくなると、こうも楽しめるのか。社会属性でいえばマイノリティに分類される自分であっても、エンタメ作品に余計なお説教はノイズでしかない。
そんなことを実感する作品でございます。
アメリカ人って
救い難いな・・子どもでも観るこんな作品でも、巨悪に踊らされてますよーって教えてるのに。サンダーボルツたちの様に改心すると思ってるのかな。
割と大事にならず良かった感。ウインターソルジャーの活躍が少なく残念、義手を食洗機にかけてて笑えた。エレーナはもう少しダイエットした方が、あご回りとか。荒れた生活の役作りだったの?
スターシップの曲流れてホッとした、80年代返り凄いな。あの頃は全ヒット曲、ビーズの様でした。
*
まあ、そうなるわなぁ、、、
セントリーの能力が予告の段階でああなったら、チート過ぎて対処法ないもん。結局「悪者」ではないって方向から「懐柔」しかないよね。
そして、そこがウィークポイント
話をつまらなくさせてるのはそこだよね。序盤から中程までは結構ワクワクしてたんだけどね。つまり、あの影光線?をどうやって「やっつける」か、をね。それがあれじゃあね。それにヴァルの立ち位置も弱い。秘書の裏切りは知ってたの?知ってて許してるの?結局全登場人物が「悪」に振り切れてないよね。まさに
中途半端
フローレンスピューは良かったけどね。ブラックウィドウとは真逆なキャラをしっかり立ててる。それでも初登場の時よりも「スキ」が多いというかソフト路線にキャラ変してるけどね
バッキーの議員設定も後付けだよね。ストーリー上の都合よさというか。
ジョンウォーカーの盾はキャップ並みの強さなんだっけ?セントリーに折り曲げられた割には前半完璧防御だったけど。
エンドクレジット後もなんかなあ。サムキャップとの対立もそんなに大きなものにはならなさそうだし。ていうか、サムキャップは何やってたの?NY大変だったのに。。。とかね。
サンダーボルツの由来はまあまあ面白かったけど。
あ、タスクマスターの出落ちはひどくないかな?
興行収入が心配です。
2025年劇場鑑賞22作品目(23回鑑賞)
自由奔放かと思いきや、意外にも堅実な作り
《IMAXシアター》にて鑑賞
【イントロダクション】
アベンジャーズ不在の中、世界の危機に悪役やならず者といったワケアリメンバー「サンダーボルツ」が立ち向かう。
ブラック・ウィドウことナターシャの妹・エレーナに、『ミッドサマー』(2019)、『オッペンハイマー』(2023)のフローレンス・ピュー。物語の鍵を握る謎の人物・ボブに『トップガン/マーヴェリック』(2022)のルイス・プルマン。
監督は、Netflixドラマ『BEEF/ビーフ』(2023)のジェイク・シュライアー。脚本に『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)、『ブラック・ウィドウ』(2021)のエリック・ピアソン。
【ストーリー】
マレーシア。姉であるナターシャをサノスとの戦いで喪い、虚無感を抱えて生きている妹のエレーナ(フローレンス・ピュー)は、CIA長官ヴァレンティーナ“ヴァル”(ジュリア・ルイス=ドレイファス)の命を受けて、彼女が過去にCEOを務めた軍事会社で行ってきた違法な人体実験による弾劾裁判から逃れる為、世界各地に存在する証拠となる資料や研究施設を破壊して回る仕事に就いていた。
ある日、エレーナは父親(の役目を演じていた)であるレッド・ガーディアンことアレクセイ(デビッド・ハーバー)を1年ぶりに訪ねる。アレクセイは、かつてロシアがキャプテン・アメリカに対抗する為に生み出した超人戦士であるにも拘らず、現在ではリムジンの運転手として生計を立てる冴えない日々を送っていた。
アレクセイと再会したエレーナは、もっと人前に立てる仕事(ヒーローとして活躍したい)をしたいと思い、次の任務を最後にしようと決意する。
一方、ヴァルは弾劾裁判にて無罪を主張。むしろ「アベンジャーズのいない世界」に対する危機感を訴える。そんな彼女を、下院議員となったバッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)は密かに調査していた。
エレーナはヴァルと最後の仕事の約束を取り付け、研究資料を狙う謎の刺客ゴースト(ハナ・ジョン=カーメン)を追って、僻地にある研究施設へやって来る。
施設に侵入した彼女を待ち受けていたのは、同じくヴァルの命を受けたU.S.エージェントことジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)、かつて共にレッドルームに所属していたタスクマスター(オルガ・キュリレンコ)、そしてゴーストだった。
ヴァルは、最後に自身の黒い経歴を知るエレーナ達“始末屋”も纏めて排除しようと、彼女達を騙して一ヶ所に集めたのだ。施設の焼却処理が開始されようとする中、エレーナ達はヴァルが進めていた“セントリー計画”の被験者の生き残りである謎の男・ボブ(ルイス・プルマン)と出会う。
エレーナ達の始末に失敗しつつも、自身が推し進めていた計画の被験者であるボブの生存を知ったヴァルは、計画の再開を画策し、かつてトニー・スタークが所有していたアベンジャーズ・タワーへと搬送する。
【感想】
ライバルであるDCコミックを意識してか、本作はマーベル版『スーサイド・スクワッド』といった作風。ただし、あちらとは違い本作の主要メンバーは極悪人という程の悪人は存在せず、ヴァレンティーナの言うように「負け犬」という風な、過去に傷のあるワケアリメンバーで揃えられている。
スタッフに独特なホラーやサスペンス作品を多く排出している気鋭スタジオ「A24」の製作に携わった経験のある人が多い事から、予告編でもA24作品を意識した予告が製作されたりと、マーケティングでも色々試行錯誤していた様子。
それにしても、予告編の上映は勿論、IMAX上映開始前のカウントダウンが特別仕様だったり、ポストクレジットでの布石だったりと、マーベルは7月25日公開予定の『ファンタスティック4/ファースト・ステップ』に余程の自信があるのだろうか。
来年公開予定の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』でヴィランとなる、ロバート・ダウニー・Jr演じるドクター・ドゥームが『ファンタスティック4』の登場人物だからというのもあるのだろうが。『ドゥームズデイ』をメインとするなら、『ファースト・ステップ』は下準備、本作は更にその下準備といった所か。
そう、本作に抱く1番の印象が、「下準備の下準備」というものだったのだ。
これまでのMCU作品には珍しく、本作は「メンタルヘルス」をテーマにした、傷付いた人々の再生を描いた話である。主人公にあたるエレーナは勿論、キーパーソンとなるボブ(ロバート)もまた、心に深い闇を抱えており、それがクライマックスでの“ヴォイド”発現に繋がる。スーパーパワーさえコントロール出来れば、アベンジャーズ全員のパワーに匹敵するほどのスーパーヒーロー“セントリー”になれる(まるでDCのスーパーマンのような)が、不安定な精神の陰には常にヴォイドが付き纏うのだ。
そんな悪人とは言いがたいヴィランを、暴力による制圧ではなく、対話と協力によって救うというアプローチは新鮮で良かった。思えば、今年の2月に公開された『ブレイブ・ニュー・ワールド』も、クライマックスではサムによるレッドハルクの説得で幕を閉じた。それはまるで、『インフィニティ・ウォー』(2018)と『エンドゲーム』(2019)でサノスの野望をアベンジャーズの面々が単なる暴力で捩じ伏せたように見える(一応、ヒーロー側は“自己犠牲”を選択して、サノスの“他者犠牲”と対になる行動は示してはいるが)という反省を踏まえているかのよう。
ただ、こうした後々活きてくるキャラクターの、あくまで本調子は先送りにしての御披露目というのも、やはり「下準備」感を強く印象付ける。
エレーナはアレクセイとの和解を経て精神の安定を取り戻し、仲間と共にボブをヴォイドの闇から救い出そうとする。
「1人で抱え込んだら、誰だって潰れる。吐き出していい。あなたは一人じゃない」
彼女が告げるこの台詞は、月並みではあるが、人が精神を病む前に思い出すべき大事なことである。
ただし、ボブがその過去に幼少期の父親の家庭内暴力や自身の薬物依存、自責の念といった重いものを抱えており、それ故に立ち直る事が困難であるのに対して、エレーナは些か立ち直りが早過ぎると感じた。ボブを救う彼女自身がまず救われるという描写が不足していたように思う。アレクセイとの蟠り、姉を喪った悲しみやレッドルームでのトラウマ、日陰者としての苦痛と、序盤から彼女の抱えている苦悩は断片的に語られてきた。問題なのは、そうしたあれこれをアレクセイとのただ一度の話し合いで解決してしまった点だ。あれでは、「父親に不満を打ち明けて軽く涙を流したらスッキリしました」程度にしか見えなかった。
描こうとしているテーマやその解決策は理解出来るし、MCUらしくないダークなテーマに踏み込んでいる意欲に好感が持てるだけに、何処か勿体無さを感じさせられた。
そんな本作で最もテンションが上がったのは、バラバラだった「サンダーボルツ」のメンバーが、人命救助の際に協力し合う姿だ。ヒーローらしい人命救助シーンに加え、仲間と協力して困難に立ち向かうという展開は、ヒーロー映画らしいカタルシスに満ちており素晴らしかった。
【暗いテーマに対して、全編に漂う軽いノリとギャグ】
主にアレクセイが担っていた役割だが、他のメンバーも要所要所でコミカルなやり取りを披露している。
割とクールキャラだったはずのバッキーでさえ、報道記者からのインタビューで何処ぞの政治家のような中身のないコメントをしたり、ピザを溢して汚れた左腕の義手を食洗機で洗ったりと、本作では茶目っ気たっぷり。バイクに乗って颯爽と駆け付ける姿は、まるで『ターミネーター2』(1991)のシュワちゃん。
ボブの事態を把握していない楽観的な姿、またボブを演じたルイス・プルマンが、『トップガン/マーヴェリック』で同じくボブという役を演じていたのも、たとえ偶然でも何処か悪ノリの印象を受ける。
「この緩さ・軽さがマーベル」と言えばそれまでなのだが、本作の現実的なテーマの前では、若干ノイズに感じられる場面もあった。
また、ギャグに落とし込むにしろ、違う描き方もあったのではないかと思う。例えば、エンドクレジット途中のシーンでアレクセイの念願叶ってシリアルの箱に印刷されたシーン。素直にファンに気付かれて写真やサインを求められ、その場ではクールに対応しつつも、ファンが去った後で思い切りはしゃぐ姿等でも良かったはずた。
サンダーボルツ改め“ニューアベンジャーズ”のメンバーは、エレーナとボブ以外は過去のトラウマに対する救いが用意されておらず、何となくの雰囲気でめでたしとされている印象があったので、せめてアレクセイくらいにはそうしたご褒美があっても良かったのではないだろうか。
【曲者だらけのチームメンバーに、優れたキャストが“アッセンブル”】
キャスト陣の熱演はどれも良かった。
その中でも、エレーナ役のフローレンス・ピューのハマりっぷりは頭ひとつ抜き出ていた。彼女のキャリアにおいても最高の役の一つになったのは間違いない。先のボブに倣って中の人ネタで言えば、今回はカルト宗教団体に組み込まれずに立ち直れて良かったねと言いたい。
実際に本人が飛んだという冒頭のマレーシアでの超高層ビルからのダイビングシーンも、アッサリながら印象的なシーンだった。
ルイス・プルマンの精神的に不安定なものを抱えているボブの演技、特に泳いだ目の演技が素晴らしく、セントリーとなって自信に溢れてサンダーボルツを圧倒するシーンとの対比が引き立っていた。
ヴァレンティーナ役のジュリア・ルイス=ドレイファスが見せる「転んでもタダでは起き上がらない」という狡猾さと強かさ、常に相手より優位に立とうとする姿勢には、ウォーカーやゴーストと同じく「殺すに一票」を投じたくなる。
そんな中でも、やはりタスクマスターの早々の退場は予想外だった。彼女の台詞はたった一言で、チームにすら参加していないのだ。
『ドゥームズデイ』に参戦するキャストの発表動画で、他の「サンダーボルツ」メンバーのキャスト発表はあったにも拘らず、タスクマスター役のオルガ・キュリレンコの名前だけ無い事から、公開前から一部ネットでは本作での死亡説が囁かれていたが、あそこまでの切り捨てぶりを予想した人は居ないのではないだろうか?何せ、ポスタービジュアルには他のメンバーと共に映る彼女の姿があったのだから。
【総評】
曲者メンバーのチーム結成秘話としては、まずまずの作品といったところ。しかし、予告編から受けた自由度の高そうな奔放ぶりを期待していた身としては、意外と小さく丁寧に纏まっていた事に若干の肩透かしを食らった。また、やはり今後へ向けた準備段階という印象が拭えなかった。
兎にも角にも、7月の『ファンタスティック4』は鑑賞必須となってしまったので、心待ちにしなければならない。マーベルの掌の上で踊らされている感じがして悔しいが、かつてのマーベル作品のようなワクワク感が戻って来た事は素直に嬉しい。
バッキーがカッコいい!
なんだかんだでやっぱりバッキー!でした。
初めてのアベンジャーズ シリーズでこれをみる方はどう思うかなぁと思いますが、面白いです。
ストーリーはディズニーっぽい愛と平和感ありで、次はもうすぐ公開のファンタスティック4みてねな感じになってます。
エレーナの「ダディ、私、寂しかった」のセリフとウザいパパが心に残ります。あとアベンジャーZ!
躁鬱のボブは恐ろしい(≧∇≦)
サンダーボルツ* Thunderbolts*
ボブに触れると、過去の負の自分の世界に引き込まれる。
その世界は虚無で、
まるでヤンキーの眠狂四郎ではないか?
円月殺法は使わないが、スーパーマンほど強く、速くて、飛べて、タフで、そして鬱なのだ。
どうも、スーパーマン関係者は鬱が多いのが気にかかる。
強さの裏には負のストレスがあるようだ。
それにしても、あの高層ビルに地上からのトンボクレーンを使うのは何故なんだ?
古い建築工法の様に思うが、想像通り大災害となった?
最後のClA長官の終わり方も宇宙船も次回のボブの出方も謎が多い?
それは、次回作への期待でき無いだけに、残念過ぎるエンディングだった。
( ^ω^ )
サンダーボルツ* Thunderbolts*
マーベルコミックのヒーローたちが活躍するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の各作品で悪役やならず者として登場した6人のキャラクターがチームを結成し、
己の過去と向き合いながら世界の脅威に立ち向かっていく姿を描いたアクションエンタテインメント。
ある時、ニューヨークの街に突如として大きな黒い影が出現。
瞬く間に市民を消し去っていく謎の敵により、世界は再び大きな脅威に直面するが、そんな人類の危機にも、数々の敵から世界を救ってきたヒーローチームの「アベンジャーズ」は姿を現さない。
CIA長官のヴァレンティーナは、誰がこの脅威から世界を救うのかを問いかけるが、そこで立ち上がったのが、かつてヒーローたちと対立したことのあるバッキー・バーンズだった。
バッキーは、エレーナ、ジョン・ウォーカー、レッド・ガーディアン、ゴースト、そしてタスクマスターという、全員が過去に悪事を犯したことのあるならず者たちに声をかけ、「サンダーボルツ*」というチームを結成する。
そんな彼らの前に、バッキーの強力な武器でもある義手すらも簡単に打ち砕く、謎の敵が現れる。
フローレンス・ピュー、デビッド・ハーバー、セバスチャン・スタン、ワイアット・ラッセル、オルガ・キュリレンコ、ハナ・ジョン=カーメン、ジュリア・ルイス=ドレイファスら、これまでのMCU作品でそれぞれのキャラクターを演じてきたキャスト陣が結集。
監督は、映画「ペーパータウン」やテレビシリーズ「BEEF ビーフ」で知られるジェイク・シュライアー。脚本は「ブラック・ウィドウ」「マイティ・ソー バトルロイヤル」のエリック・ピアソン。
サンダーボルツ*
Thunderbolts*
2025/アメリカ
「おかえりMCU!」って言う準備してたのに
「高級店クラスの焼き肉をたらふく食べられるぞ!」と聞いておもいっきりお腹を空かせて店に行ったら、いい感じの塩タンとか出てきて最初は美味しくいただいてたのにだんだんお肉の質が食べ放題店レベルになってきて、最後に「当店特製!」といいながらありきたりなアイスをドヤ顔で出され、とりあえずお腹はいっぱいになったけど「そういえばこのお店最近こんな感じだったよね…」と俯きがちに家路に着く。そんな作品でした。
早々のタスクマスター退場や中盤以降のバッキーの空気扱いは既に多くの皆様が言及されているところでありますが、そもそもこのメンバーに対してメインヴィランをセントリー/ヴォイドとした事があまりにも無理のある配置と思えてならないです。
「(超人兵士が3人いるとはいえ)主に肉弾戦を基本とする彼らがいかにしてヴォイドと戦い、どういう理屈を持ってして彼を制するのか?」がこの映画の最大の盛り上がりポイントになるはずだったのに、これでは前半にいくつかあった良い所を相殺する以上のガッカリになってしまったなぁと感じざるを得ないです。
ポスクレにしたってそんなドヤられても、ドゥームズデイにF4が出る事は既に発表されている事なので何の驚きにもならないし、そもそもエンドロールで本編では使われていないジアッキーノのF4テーマがクレジットされてて、かなり興醒めというか、見てるこっちが恥ずかしかったですよ。
とはいえ、登場キャラはみんなチャーミングで大好きだし、嫌いにはなれないが擁護もしづらいという、MCUファンとしては手放しで喜ぶことができない作品に本作もなってしまいました。
観る前は「これが駄目ならもう駄目かも」と思っていましたが、今は「F4が駄目ならもう本当に駄目かも」と思っている自分が情けない。しかしついて行くしかないのか…
(評価修正: 2.0 → 2.5)
キャップ4よりは良かった!うん。
狸の飼い方
ここ最近出てきたバレンティーナの素性が明るみになり、その狸っぷりが今回のストーリーの軸になりつつ、最後はサンダーボルツwithボブがその狸を飼い慣らすという痛快なオチに。
ナターシャ亡き後、心の中の空白を埋めるためにイェレーナがひたすら仕事をこなす中、殺しても殺しても埋まらない空白。
思春期の女子高生の様に、ポンコツ空振り親父を毛嫌いしつつも、結局は親子。
街中でどんな格好をして居ようが、父親には正直に話し、その父親も正直に応える。
冷酷な暗殺者だった筈が、ナターシャ以上にその芯に秘める優しさが、最後の彼女の全力疾走に繋がる。
ニューヨークが惨状に包まれる中、かつては悪に手を染めた筈のアウトロー達が、最後は優しさと、相手を許す事で世界を変える。
憎しみの連鎖で世界がどんどん悪い方向にいく中、一つの答えとしても素晴らしいし、キャラが立っていて、何ならセンチネルも素晴らしく、綺麗に昇華される。
久しぶりにマーベル作品で味わうカタルシスは極上であり、激しくもあり、そして一番優しい。
その優しさで、最後は狸を飼い慣らすしたたかさもあり、痛快な終わり方で締め括る。
正義に縛られて中途半端な作品が続いた中、何かを犠牲にしても貫く強さを感じた。
なんだかんだでで、屋台骨として機能するバッキー。
今までは女房役だったものの、今度は大黒柱としてメンバーを支え、そして許す父親役となって大活躍。
シリーズ全てを懲りずに観続けた人にとってご褒美の様な作品に仕上がってるのも嬉しい。
尚、エンドロールで最後の来襲者のネタバレが既にあるので、使用楽曲でネタバレになるのは惜しい。
心に虚無を感じた人は共感できる素晴らしい作品。
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