「最近のMARVEL作品を楽しみ切れない理由」サンダーボルツ* 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
最近のMARVEL作品を楽しみ切れない理由
“アイアンマン”から“アベンジャーズ/エンドゲーム”頃までのMARVEL作品がとても好きで、その頃のMARVELは俺にとってハズレが無く毎作公開を楽しみにしていた。が、コロナによる公開中断を境にその後の公開作品は入り込み難さを度々感じるようになっている。 それでも、「今作こそ以前の興奮を!」と観賞。
【物語】
幼少時からロシアの暗殺者訓練施設レッドルームで育ったエレーナ(フローレンス・ピュー)は同じくレッドルームで育ち、“姉”と慕っていたブラック・ウイドウ(スカーレット・ヨハンソン;本作の出演は無し)の死で空虚な日々を送っていた。
エレーナは謎多きCIA長官ヴァレンティーナの下で暗殺ミッションをこなしていたが、ある日彼女の指令で、彼女が私的に作らせた極秘施設へ向かう。しかし、そこには同じくヴァレンティーナによって集められたジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)、ゴースト(ハナ・ジョン=カーメン)らが潜んでおり、戦闘が繰り広げられる。しかし、彼らは決着がつく前に彼らをそこに閉じ込め、全員を始末するというヴァレンティーナの陰謀に気付く。彼らはその施設に居た記憶を失ったボブという謎の男を含めて、互いに協力して施設からの脱出を図る。
施設からの逃走中にエレーナを助けに来た(かつてミッション上の父)アレクセイ(デヴィッド・ハーバー)、ヴァレンティーナの真の目的を探るバッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)も合流し、「サンダーボルツ*」という即席のチームを組むことになる。
やがてニューヨークの市民を次々と消し去る脅威の存在が出現。当初はバラバラだった「サンダーボルツ*が結束して立ち向かう。
【感想】
このレビューを書きながら、最近のMARVEL作品の入り込み難さの原因が分かって来た気がする。レビューを書く上で登場キャラを頭の中で整理するため、ネット検索することにより
「そうかサンダーボルツのメンバーは全てMARVELの過去作品で既出だったんだ」
と初めて気付く。俺は彼らの登場した作品は全て観ているはずだが、主人公エレーナ初め、ほとんど記憶に残っていなかった。 問題はそこにあると思う。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品は全て1つの世界で繋がっていることは知っているのだが、各作品の展開、キャラまで俺にはとても憶え切れない。万全の復習をしてから観賞すればもっと楽しめると思うのだが、1つ前の公開作を観ておけば良いのでなく、各キャラ達の登場作品はあっちこっちの作品に飛ぶから簡単ではない。復習作品数を必要最小限にするためには予習して登場キャラと出演作品を特定する作業が必要になるし、予備知識無しで観たければ膨大な数の作品を復習しておく必要があり、現実的でない。
MARVEL創世記はアイアンマン1,2を観ずにアイアンマン3を観ても楽しめた。そもそも、基本勧善懲悪モノなので細かいところは知らなくてもOKという点も大きかった。しかし、蓄積されたMARVEL作品が多くなったことで(今作が36作目らしい)、上述のとおりキャラの繋がりが複雑になって来たことに加えて、最近のMRAVEL作品は展開も妙に複雑になって来ていると思う。今作で言えば、エレーナの精神的苦悩描写に多くの時間を割いている。 MARVEL創世記の作品は「頭を使わずとも単純・爽快に楽しめる」が俺的には良かったように思うが、少なくとも現在その良さは失われている。大人でも楽しめるヒーローものというにもMARVELの特長ではあるが、今回目にした親と一緒に観ていた小学校低学年の子供は、絶対楽しめなかったと思う。
今作だけについて言うと、ヒロインのエレーナがなかなか魅力的であり、まずまず楽しめた。 が、初めてMARVEL作品を観る人でもストレス無く楽しめるもう少しシンプルな作品への回帰を俺は願う。
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