「*最高のB級チーム」サンダーボルツ* kou-sukeさんの映画レビュー(感想・評価)
*最高のB級チーム
*注 吹替版での視聴です。
まずはMCU恒例の事前予習作品についてだが、
勿論単体映画としても面白いのだが、
最低限、アベンジャーズエンドゲーム(フェイズ3)までに起こった基礎知識内容と、
・ブラックウィドウ
・ホークアイ(ドラマ)
・ファルコン&ウインターソルジャー(ドラマ)
が視聴推奨と感じた。
特にブラックウィドウは必須とも言える。
余裕があれば、
・アントマン&ワスプ
・キャプテンアメリカ BNW
の視聴もオススメしたい。
さて、本作サンダーボルツについて
・主演エレーナ役のフローレンス・ピューの演技が良い
は、各所で語られているので割愛する。
私も、これに関しては大きく同意見だ。
そんな中で、本作の良かった点、残念だった点をそれぞれ3点書いていこうと思う。
良かった点
・コメディとシリアスのバランス
本作で所々に挟まれるユーモアシーンは、本当に心地良かった。前作のBNWは常にシリアスだったし主人公のサムが生真面目な為、画面は終始緊張気味だった印象がある。本作ではエレーナの憎まれ口や、レッドガーディアンの大ボケ発言、バッキーの食洗機や、ヴァレンティーナのアベンジャーズタワー再利用など、随所にユーモアが散りばめられている。
勿論、ユーモアだけでなく、孤独やトラウマの描き方も上手く、そこを乗り越えるシーンへ辛くなりすぎない絶妙なバランスでラストのボブ救出シーンまで描いてくれた。
127分の長さも余り感じない展開(一部もたつくようなシーンはあるものの)だった事の大きな要因だったと思う。
・闇堕ちセントリー(ヴォイド)のデザイン
本作メインヴィランであるセントリーの闇堕ちした姿は本当に良かった。元のスーツがダサいのもこの為だったのかと思わせるような、漆黒と目の光のみのデザインは、恐怖と孤独の具現とも言えるビジュアルデザイン。
また精神世界に飛ばす描写は、監督インタビューでもあった原爆の影をイメージしたとの事。日本人としては不謹慎とも思ってしまうが、恐怖を描く上で「やられた」とも思った。
・セカンドチャンスと救いの描き方
本作のサンダーボルツの面々は、悪に手を染めた輩ばかりだ。
力はあるがヒーローになれなかった輩たち。
彼らがボブと共にヒーローとして活動する未来を用意してくれただけで、本作には価値があったと思う。
ボブとの決着のつけ方も、前作BNWと同じく「対話」だった事も、そこまでの突出した力のない彼らだからこその描き方だったと、納得の行くエンディングだったと思う。
救いたくなる悪役と言うのも、中々難しい役だと思う。そこを描ききった事が素晴らしいと思った。
悪かった点
・小物集団のアクションシーン
やはり今作のチームのメンバーは、いかんせんヒーローとしては2軍クラスとしか言えない‥と言うのが本音だ。
無印アベンジャーズの集団戦
ウルトロンのラストバトル
IWとEGの総力戦のようなチームアップバトル
ビーム、稲妻、レーザー、巨大化、飛行、スマッシュ。そんなスーパーパワーが見れる事は無い。
超人ヒーローがいない為、彼らは瓦礫を持ち上げるので精一杯なのだ。勿論人助けのシーンはすごく良いのだか、それでも私がスーパーパワーを望んでいるのも事実である。
・最後、ギリギリ気持ち良くない
ヴァレンティーナの最後の会見シーン、あれで気持ち良くなった人はどれくらい居るのだろうか?
私はあの女は報いを受けているようには見えなかったし、逆にNEWアベンジャーズ発足の立役者みたいな立場になった事も許せない。
いっそ失職させて秘書のメルが立場を奪った上で、発足させるような流れにして欲しかったのだか、どうなのだろう‥‥。
・タスクマスター問題
こちらも各所で語られていると思うので、割愛しようかと思ったが、ブラックウィドウを再度見直して改めて残念度が増したので書いておこうと思う。
ブラックウィドウのラストで洗脳が解け、ウィドウの生き残りと共に飛行機に乗るシーンで終わった。そうなれば彼女はウィドウの救助活動を中心に仕事をする事になったはず。それならば、エレーナとも同組織で活動していたかも知れないし、空白の5年での活動変遷があったかも知れない。
ただ、タスクマスターも、ある種ナターシャの形見のような存在のはずなのだ。
それなのにゴーストに殺された際のエレーナは、まるで他人や敵の敵くらいの扱い‥‥。
これ出す必要ありましたか?
せめて見せ場のある格好良い死に方とか用意出来ませんでしたか?
「お姉さんの借りを返す」とかで焼却炉から逃がしてくれるとか出来ませんでしたか?
ポスターに出す必要ありました? ゲスト扱いで良かったのでは?
‥‥タスクマスター問題は、今後のMCUにおいて、サブキャラやサイドキックを推すと、あとで痛い目みるぞとしか感じない、悲しい事件だったと思う。
と、まぁ色々書きましたが、
近年のMCUでは圧倒的に満足度の高い映画でした。
キャラも良い、掛け合いも良い、少しだけ画面が地味になりがちだけど、そこもサンダーボルツ的な味を感じる。
強いて言えば、MCUは新作映画の前に、10分くらいの要約動画でも作るべきだとは思う。
マーベルズやBNWや本作は、新規でいきなり観る事を躊躇されてしまう作品だと思う。
だからこそ、ここからでも入れる要約動画を公式には期待したい。観たいなら前作まで全部観ろ!ではなく、入口はもう少し広く入りやすくして欲しいと切に願う。
次回のF4は、ある種そこの配慮が不用なので、気楽に楽しめそうだ。
余談だが、吹替での視聴でストレスを感じないのもありがたかった*。声優陣に拍手。
*ブラックパンサー2、マダムウェブ参照
BNWは字幕視聴の為、未判断です。
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