「同級生の前にしゃしゃり出てくる父親のウザさをとくと堪能せよ」サンダーボルツ* Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
同級生の前にしゃしゃり出てくる父親のウザさをとくと堪能せよ
2025.5.2 字幕 MOVIX京都 Dolby Cinema
2025年のアメリカ映画(126分、G)
原作はマーベルコミック
ある計画の裏で暗躍するスパイと施設に取り残された青年との交流を描いたアクション&ヒューマンドラマ
監督はジェイク・シュライアー
脚本はエリック・ピアソン&イ・サンジン&ジョアンナ・カロ
原題の『Thunderbolts*』は劇中で登場するエレーナが幼少期に所属していたサッカーチームの名前で、「*」はチャットなどで間違った単語を送った後に「正しい単語」に付属させるマークのこと
物語の舞台は、マレーシアのクアラルンプールのあるラボ
そこに潜入したエレーナ(フローレンス・ピュー、幼少期:ヴァイオレット・マグロウ)は、証拠隠滅のためにフロアを爆発させる命令を受けていた
無事に仕事を終え、依頼主のヴァル(ジュリア・ルイス=ドレイファス)に報告をしたエレーナは、「任務から降りたい」と申し出る
エレーナは今の仕事に虚無感を覚えていて、仕事を終えるたびに後悔に苛まれていた
ヴァルは「次のミッションが最後」と言い、「ある施設に潜入しようとする者を特定し、何を盗もうとしているかを突き止めろ」と命じた
エレーナがその施設に向かうと、そこには壁をすり抜ける能力を持つ何者かがいて、そこでは奇妙な実験をしていたことがわかる
その能力者はゴースト(ハナ・ジョン=カーメン)で、彼女は別のターゲットを狙うように言われていて、さらにそのターゲットは別に潜入していた者を始末するように言われていた
エレーナはここにいる全員がかつてヴァルに雇われた者たちで、ここに集めて処分をしようと考えているのだと推測する
だが、その場所にはヴァルの依頼を受けたとは思えない青年ボブ(ルイス・プルマン、少年期:Clayton Cooper)がいて、彼はここに来た記憶を全て失っていたのである
と、何かしらの計画の後始末をさせられた人たちが結集して逃げるという話で、妙な結束が生まれるという話になっていた
そこに謎の青年が加わるのだが、どう見ても計画の生き残りだよねとわかるテイストになっている
この青年がどのような変化をするのかというのが物語のメインで、産みの親とでも言えるヴァルが特別な能力を目覚めさせるという流れになっていた
ボブはセントリーと呼ばれるスーパーマンになるのだが、扱いがヤバいと感じたヴァルが始末しようとして闇堕ちするという展開を迎える
それがニューユーク中を包み込んで、どんどん人が闇に消えてしまう、というのが本作の見どころになっていた
映画は、ある程度MCUを観てきた人ならわかる内容で、全く知らないとさすがにキツイと思う
それでも、映画内の説明で察することができるレベルにはなっているので、なんだかよくわからん強い人たちにもトラウマレベルの出来事があったのね、ということさえ読み取れればOKなのだろう
その解決策として、最も危険な場所(最も強いトラウマ)に行くのだが、そこにいたのは自分自身で、「自分を特別な人間だと思っていた思い上がり」みたいなものがラスボス化していたように思う
そして、そんな自分を殺そうとするのだが、それ自体が敵の策略であり、そんな無垢な自分を無くさずに、その可能性を汲み取るために「仲間と一緒に歩もう」というメッセージが込められていた
いずれにせよ、思いっきり「F4」がエンドロール後に仄めかされるのだが、クレジット内に「F4」のテーマソングが書かれていたので、「どこで流れたっけ?」と思った人もいたと思う
また、映画の始まる前の予告に思いっきり出てきたので、「次はそれか〜」と思ってしまい、サプライズが半減してしまった
せめて映画の後に予告編を流してほしいところだが、それも無茶な話だと思うので、映画が始まる寸前に劇場に入る以外に避けようがないと思う
個人的にはそこまでのサプライズ感はなかったのだが、今後はこの地味目な路線でわちゃわちゃするのかなと思ったので、このフェーズが生き残るには相当なサプライズが必要だなあと感じた
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