劇場公開日 2022年11月3日

  • 予告編を見る

「悪い人を悪いと思って観られる」犯罪都市 THE ROUNDUP 塩かげんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5悪い人を悪いと思って観られる

2023年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

韓国映画のいいところは、俳優のことをよく知らないってこと。マ・ドンソクのことは、ファンだから認知しているけど人柄なんかは知らない。強制的にテレビなどで情報が入ってくることもないから、いつもニュートラルに観られます。だから、彼が警察官や悪人やいいお父さんや、どんな役を演じてもスッと受け入れられる。

韓国映画のなかでも暴力系アクション痛快ものは、悪役のウェイトが大きい。画面越しで彼らを「悪い奴やなー」「はやく、しばかれたらいいのに」と小3的視点で観られるかどうかが面白さの総量に影響する。そしてその量がある程度たまると、質が高まっている感じがするのだ。

今回の悪役は、カン・ヘサン役のソン・ソックが大当たりだったと思う。狡猾で残忍、躊躇なしの暴力。腹立たしいを越えて、画面からにじみ出る凄みと恐怖。会話ではわかりあえないヒトなのだ、ヒトのカタチをしたそういうもの、のような印象を与えてくれた。それゆえに没入感はぐぐっと高まっていった。

マ・ドンソクがやられるわけがない、無敵、不敗、正義のようなものの典型的ヒーロの象徴ではある。が、日本型のヒーロと異なるのは、正義のためなら何をしてもいい、とも感じさせる歪んだ正義感。これがある意味人間らしいとも思える。

悪役には人間らしさを感じず、ヒーロ役には人間らしさを感じる、このちょうどいいかげんが映画のバランスを保ち、ゆらゆらと揺れるさまがハラハラ感を生むのだと思う。

シリーズ2作目、タイトルが面白くなさそうだけど、前作の「犯罪都市」も超面白い。「悪人伝」「ファイティン」も面白かった。まだ他もあるから、マ・ドンソク主演はおさえておこうと思う。

西の海へさらり