「俺の国」犯罪都市 THE ROUNDUP 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
俺の国
我らが兄貴、マ・ドンソクが最強刑事でたっぷり無双っぷりを魅せてくれた韓国アクションの第2弾。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』『神と共に』『悪人伝』、『エターナルズ』ではハリウッドデビューも果たし、出演作の話題に事欠かないが、まだ2作目だがすっかり兄貴の当たり役に。
開幕、登場シーンだけで、いよッ!待ってました!
商店で暴れるチンピラを穏便に…な訳ない。いつもながらの力業。
身体がデカ過ぎて棚を倒しちゃったり、またまたやり過ぎちゃって、新聞沙汰に。
目は隠されても体格でバレバレ。兄貴、ドンマイ…。
そんな兄貴にある仕事。
前作は実話を基にした抗争劇だったが、今回は実際に起こっている“問題”。
犯罪者が国外逃亡を図り、悪事の限りを尽くす。
兄貴は班長と共に国外逃亡した犯罪者の引き取りにベトナムへ。
そこから、更なる犯罪の匂いを嗅ぎとる…。
韓国人観光客や海外進出した韓国ビジネスマンを狙った誘拐。
主犯の非道っぷりは、前作の中国やくざのボスに引けを取らない。斧を振り回すヤベー奴。
前作の敵=ユン・ゲサンも今回の敵=ソン・ソックも素顔は爽やかイケメン。そんな彼らを凶悪犯に配したキャスティングの妙。
『孤狼の血』もそうであったように、前作が警察vsやくざの全面戦争ならば、今回は凶悪犯との死闘。
捜査の手が及ばないからと言って、異国で次々と同胞を獲物にする外道は許せねぇ。
必ずこの手で…いや、さすがにベトナム。“国”や“管轄”や“法律”の問題がある。
だから何だ? 異国だろうとお構いナシ。兄貴は何処行っても俺様捜査。
勿論、OUTです。
でもそれも充分承知の上で、現実世界では届き及ばぬ“障壁”を、この映画の中では兄貴がガツン!と叩き壊してくれる。
昭和の刑事ドラマもそうなんだろうなぁ。今見れば…いや当時の人だって、ありえねー!と思った筈。それを充分承知の上で、現実世界では無理な破天荒な活躍に興奮。
リアル刑事モノもいいが、ありえねー!な刑事モノもいいじゃないか。面白ければ。
これこそ映画/TVドラマだからこその醍醐味でもある。
だから日本人も本作や兄貴に熱狂するのだ!
前半はベトナムで大暴れして、後半は帰国。ある目的の為韓国に戻った凶悪主犯を必ず捕まえる!
この主犯の図太さ。ターゲットの目の前に堂々と“乗り合わせる”。
今回も話はシンプル・イズ・ベスト。
漲る熱量とテンポのいい展開で飽きさせない。
アクションやバイオレンスもたっぷり。にしても本作での兄貴、さらにパワーアップしてないかい…? 人の身体を軽々と放り投げ、パンチ一発で相手は吹っ飛ぶ。まあ、兄貴ならそれくらい朝飯前か。
力業、パンチ、張り手…今回も次から次へと剛腕を魅せてくれるが、一番ツボったのは、取り調べで相手の顔面で机をバンバン! その手があったか~!
暴力捜査が強烈過ぎて、何だかもう笑えてくるくらい。アクションやバイオレンスやスリルと比例するように、ユーモアも前作以上。今回一番ウケたのは、「呼んだ?」(笑)
班長や部下との掛け合い、チームワーク。
相変わらず振り回されっ放しの班長だが、今回は前作以上に活躍や意地を見せる。
若い部下たちも奮闘。街中チェイスでの彼らの姿には、事件解決したら好きなだけ酒を奢ってやりたいくらい。
まあ気の毒なのは、小峠似の元やくざ。いいように協力させられて、利用されて、挙げ句…。
兄貴の無双もいいが、彼らレギュラーもいてこそ。
何だか見てたら、昨今騒がせた“ルフィ事件”を彷彿とさせた。
同胞が捜査の及ばぬ異国で悪事を繰り返す。恥を知れ!
罪なき同胞が犠牲に。その無念…。
どうしても現実世界では捜査が難航。
こんな時、誰かが鉄槌を下してくれたら…。
クライマックス。遂に追い詰め、兄貴の拳が炸裂する!
痛快!スカッと!これに尽きる!
ジャイアン並みの顔面が凹むパンチを受けた主犯、どんな顔になったの~!?((( ;゚Д゚)))
事件解決しての兄貴の去り際姿もカッコいい。
ラストシーンはチームで打ち上げ。お疲れッした~!
今回も面白かった。
第3弾、第4弾の製作も決定したとか。
完全に兄貴の名物シリーズに。見るっきゃないね。期待してるぜ、兄貴!
第3弾では日本やくざ役で青木崇高が参戦。日本やくざだって手強いぜ!
兄貴の捜査はワールドワイドに。
今後是非ともお手合わせ願いたいのは、ドウェインやステイサム。
彼らと闘ったら、街一つの被害じゃ済まなくなりそう…?