光復のレビュー・感想・評価
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確変
上映後の監督及び主演俳優(お二人は夫婦)の舞台挨拶にて、監督自ら"希死念慮"を抱えていて、それを宥める方法が、不条理映画の観賞だということ なので、アメリカンニューシネマ、又はATGの様な匂いを感じさせる、いやそれ以上の激辛なプロットに仕上がっている内容である
レビューの表題のように、元々詰んでいる人生から、不幸の確変を引いてしまったプロットは、凄惨な実際の事件一つ一つを連鎖のように繫ぎ合せて作ったという構成力に感服する そしてその極北がクライマックスでの、僧侶に依る顔の上下半分のナタでの切断だろう 色々な予想はしてみたが、あのカットは全く思いつかない事に、果して悔しいのかどうかさえ分らないショッキングなオチである
さぞかし、奥さんの精神状態は如何ばかりかと想像したが、本人曰わく、自主映画故、奥さんもスタッフとして忙しく、そこまで配役の心理描写を深く推考しなかったから精神汚染はされなかったと言うことで一安心である
その後の質疑応答で、自分としては寺に居た小さい女の子は一体誰の子なのかを訊こうとしたのだが、これも野暮であると思い、スルーした それ程、この主人公は真面目で素直、そして儚くも生への執着の強さ故、周囲の人間達の毒牙に懸かり過ぎた だからこそ、『知らぬが仏』に到達した彼女こそ、光が復活したのかもしれない
母親役の俳優の力量をもう少し頑張ってくれたら、今作品の深みが増したのかなと思うのだが、それも蛇足だろう
これを商業作品に出来ない邦画界の狭さに辟易する
誰もが人生を諦めそうな凄絶な無間地獄の先には何があるのか、そもそも何ゆえその地獄に落ちたのか... それでも"生きてこそ"と言えるかを問う映画
若い頃にUターンした中年に差し掛かったとある女性が、生活保護を受けながら認知症の進む母親の介護をして一目を避けてひっそりと暮らす。先の見えない日々に静かに追い詰められていく主人公に幼馴染みの学生時代のボーイフレンドが甲斐甲斐しくサポートしてくれるが果たして・・・というお話。
物語の滑り出しは地方で其処彼処で発生して働く世代を底辺へ追い詰める"介護カプセル"の厳しい現実を切り取った社会派作品かと思いましたが、そこからは"眼を背けたくなる"という言葉も陳腐に思えるほどの現世のあらゆる地獄が展開され、主人公が世間のあらゆる悪意に食い物にされていきます。
それでも生きることを止めなかった先に何があるのか、何故そのような受難に見舞われるに到ったのか…否応無しに観る者に人間存在の根源を問うような、自主映画の極北を往く激烈な一本です。
普段、ビジネスの分野に於いては自分の側の利益しか考えないクライアントに辟易することが間々有りますが、こと私生活の分野に於いては特に、周囲と対立してでも自分の身の安全と直感を最優先にする本能的防衛本能を忘れてはいけないのかもしれません。
"自分にとって真に何が害で何が善か"を自分自身がわかっていなければ善意の他人からも手を差し伸べられず、況や悪人からは・・・。
良い意味で史上最悪
この作品はベルリンとか海外では相当評価されると思います。大賞クラスです。宮澤美保が上手い!兎に角遠慮無しで自主じゃ無いと駄目ですか。邦画だって凄いのできるんですね、変な軛がないと。
一つだけですが最後あれで良いですか?悩みどこですねー
因みに前の過去最悪はキムギドクでした。ラースフォントリアーも捨てがたい最低さ。
ケアラー・イン・ザ・ダーク/要注意
1. なかなか凄いものをみせて貰った。真面目な長野県民にご免なさいしたか?と聞きたいような内容どした。
2. 認知症全開の母親役のクランシー京子さんの方が実際は若いのでは疑惑。汚ね~BBA。マジ恐ろしや。ちょっとやり過ぎ。
3. 和尚の説法に心を無にして、ありがたいなぁと思わせてからのまさかのスプラッターw
4. 山寺寺男こわ~い。悪い和尚に舌を切られたっぽい。どうせなら、ヒロインと山寺寺男と和尚の3P的交わりまで見せる展開をちょっと期待した。
5. あの小さな女の子は?圭子が和尚の子を宿し、寺で産んだ子?長野の山寺は池袋より怖いね。
6. この映画の出演者はみんなはじめましてだったので、新鮮ではあったが、寺山修司的アングラ劇場の匂いがかなりキツかった。とても恐い、禍々しい家内製手工業的演劇集団。
7. 民生委員のおばちゃんも充分クセモノだった。
8. ボックスカー拉致&ゴーカン集団(オジサンカツアゲ集団を見逃したからバチが当たった?)が法廷見学してた?圭子は警察にゴーカンのくだりはなぜ言わなかったのか?言っても相手にされなかったのか?そこのところははっきりさせて欲しかった。
9. スーパーの割引券30枚でクレーンゲーム3回とは。ちょっとケチ過ぎるね。
10. イケメンの薬剤師さん役は戦隊畑出身。圭子のドラッグストアでの変な行動。同窓会には行かない元恋人の二人。卒業アルバムを虫眼鏡で見る極貧ミドルエイジのヒロイン。単調な毎日でかなりボケてきている描写は痛々しかった。親切過ぎるイケメンにオイラはよくできた男だなぁと好感を持ったけど。ベッドに整った姿勢で寝てるのがもう不自然だから、わかってたよ。 インシュリンも薬剤師だから確信犯。あんなにボケてる徘徊しちゃう老婆が死にたいなんて絶対言わない。法廷で横山健二君をわざとかばう証言をするのか?しないのか?ハラハラ。
11. 今年のゆく年くる年の108の鐘の音は特別に感じられるかもね。それでも煩悩の炎は消えない自信ならちょっとアリマス。
とにかく観てほしい作品です
上映が終わった後はしばらく動けませんでした。鑑賞から数日経過してもまだあれこれ考えています。
長野の地方都市で認知症の母と二人で暮らす主人公の女性は、閉塞感のある生活の中、高校時代の元カレと再会し、希望の光を見出します。しかし、その再会がきっかけとなり、信じられないような災いが次々と彼女に襲いかかり、どんどん孤立し、追い詰められていきます。彼女は本当に善良な一市民なのに。
一体彼女はどうなるのか!
解釈は鑑賞する人に委ねられています、人により感想は違うような気がします。知り合いの誰に勧めてよいかはわかりませんが、いろんな人に観てもらって感想を聞きたい作品です。
5人のスタッフさんで作った自主映画と言うことですが、ポスターも、役者さんのメイクやロケ地も、素敵な作品を構成する一因となっています。
そんなに人生は簡単ではない。でも私はこの作品のエンディングに救いと光を再び見出しました。素敵な作品です。とにかく観てほしい!みなさんの感想が聞きたいです。
幸福
介護は入口、そこから始まる信じがたい程の不幸の連鎖、魂の救済。
監督曰く、ある年の事件を珠数繋ぎしたとの事、今は忘れられた悲しい事件の数々。
商業映画では出来ない自主映画ならではの問題作にしばらく席を立てずエンドロールを最後まで観る。
大衆性は無視した衝撃作は私の心には強く響いた。2022観るべき一本。
簡単に幸せにはなれないんだよ。
しんどいよなぁ介護って、、と思いながら見てたら僅かな光が差し、ホッとしたところであれよあれよと転落。
ちょっと雑な転落の仕方だったと思うけど、こういう泣きっ面に蜂と虻みたいな人が実際居るの知ってるんで笑えない。あと、わかりやすくしたかったのか全体的に警察側の演技を嫌な感じに設計しているのにちょっと嫌悪感を持った。
そしてエンディング、あーそっちねぇ、、、と思って手を合わせた瞬間に不意打ちくらって、、、え?そこ行く?
これはアレですか、仏教で言うところの「仏を見たら仏を殺せ」と言う教えでしょうか?
自然光メインの映像は美しく、宮澤も美しく切ない。
見応えはあるが少し調子に乗ってしまった気がする。
五蘊と無我
認知症の母親の介護に疲弊した43歳の娘が、高校時代に付き合っていた男と再会し変化して行く話。
両親の介護の為に28歳の時に長野の実家に帰って15年、父親を看取り次は認知症の母親と介護生活が続く中で、元彼の職場を知って会いに行き…。
壮絶な介護の姿をみせる始まりから、超イケメンっぷりを発揮する横賢のおかげで救われていく主人公、ととても惹きつけられる序盤。
ウサギから、あ~やっぱそうなるのね…という流れはまだ許容範囲だったけれど、母親の顚末からの警察の安っぽさ、そして主人公に降り掛かる負の確変はちょっとやり過ぎで、ブラックコメディじゃあるましいという印象。
更に重ねる様にポンコツ弁護士とか食事介助とかなんでも不幸に繫げなくても…とは思いつつも、まだなんとかみれたけど、山場である筈の終盤に向かって、どんどん退屈になっていくし、最後の最後の盛り上げ方がそんなんあり!?
多分こういうことだろうな、となんでそうなったのかや言いたいことの想像はつくけれど、中盤の安直なやり過ぎの影響でやっぱりコメディに感じてしまいちょっとねぇ…。
というか、唱えていたものを鑑みるとやっぱりブラックコメディ!?
だとしたら今度は足りなく感じるし、いずれにしてももうちょい上手くメリハリつけてくれればと勿体なく感じた。
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