とべない風船のレビュー・感想・評価
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「黄色い風船」を「黄色いハンカチ」と言うが「黄色いリボン」だ
僕の世代は誰でも知っている事だが、ピート・ハミルの原作で、「黄色いハンカチ」はオリジナルじゃない。ドーンの「しあわせの黄色いリボン」がアメリカで流行り、どこかの誰かが、そのヒット曲の二匹目のドジョウ映画として、商業的ヒットを狙った映画に過ぎない。
また、
風船は水素で浮いている訳だから、原子番号1の水素はどんどん風船からそのガスは抜けていく。
「いつまでも浮いている」がこだわりなのだから、その「こだわり」が出鱈目だと稚拙さを感じない訳にはいかない。
その他も突っ込みどころ満載で、かの演出家系列の才能の欠片も芽生えていない人物だと判断した。広島を描きたいのなら、尾道出身の演出家もいらっしゃる。是非、新たな影響を受けてもらいたい。このストーリー展開は太古の日本映画の予定調和そのもの。
なぜ?なぜ?教師なのか?
鬱を患って、父親から「頑張るな」と言われているのにもかかわらず「また、教師をしてみる」と言う決意(結論)が理解出来ない。
蛇足で申せば、教師なんて「ブラックな職業」とのたまう人達もいると聞く。
それはともかく「聖職の碑」伝説は終わり、キンパ◯先生は物凄く数が少ない事は誰でも知っている。
崖崩れなんだから、天災じゃなくて、人災でしょう!
まぁまぁの良作なれど
それなりに最後まで見れた。悪くはないがありきたりのストーリー。
作品の魅力は東出昌大の演技力ではなく、小林薫の魅力、三浦透子の素朴さにあろと思う
小林薫演じる父親が途中倒れて病院に担ぎ込まれるなど、あちこちの作品のネタを詰め込んでる感満載
映画好きだとワンパターンに思えるが、よくできたと思う
東出昌大が好演
人の命がなくなってしまうのは理由が何であれ、悲しくさびしい。
愛する家族が、
そして、その原因が災害ならば、
あの時こうしてたら、そこに行かなかったら、とか、タラレバばかり、
頭をよぎり後悔の毎日から抜け出せない。
どうすれば、抜け出せるのだろう。
豪雨による土砂崩れで妻と子を亡くし、生きる希望を失って抜け殻のようになりつつ、帰って来て欲しいと黄色い風船🎈を物干しにくくり、生きる縁として細々と生活する憲二を東出昌大が演じている。
凛子の父の命を救ったことで、
島の人々に注目され感謝され期待されるまでとなり、少しずつ元気も出て来た。
凛子との絡みもあって快活な頃に戻りつつある。
東出昌大の自然な演技が良かった。以前の棒読みのようなセリフまわしではなく、本当に自然な感じがよく出ていた。
この話のここまでは良かった。
方や都会から挫折して親が移住した離島に、
一人暮らす父の元に娘凛子がやって来て、
憲二と交流するうちに、元気を取り戻していくという話であるが、この三浦透子さん、
ちょっとくどい。演じ方が。
私上手でしょ、と鼻につくのを何回か感じた。
また設定にしても、なぜ教師なんだ⁉️
いろんな職業がありどこでも人間関係が生じ、
挫折もする。
仕事が教師である必然性を感じない。
ストーリーとして安直に教師の仕事を選んだように感じた。
2年目にうつになることも、教師に限らない。
憲二に勇気を貰ってまた臨時採用で復帰しようと思えた、とラスト辺りで言っていたが、
しばらく島で過ごして復職できるなら、
もっと早くにできた筈だ。
瀬戸内海の潮の満ち引き、家族を失ったあの日!
家族を失った男性が漁師の仕事をするなか
生まれ育った故郷で、人々に背中を押される
思いで再生、人が心の底で自分を想っていた
人間の優しさに触れるストーリーでした。
瀬戸内海の潮の香りがするなか、
亡くなった家族が今も自分を見守ってくれている気がした!
そんな新たな気持ちで飛ばすことの無かった
風船を空に飛ばします。
空高く飛んでいく風船の色と
美しい海は、色彩豊かに自分の胸に語りかけるシーンでした。
風船が飛べない理由は風船にも風船を握った人にもあるようです。当事者の心境に寄り添える人ほど共感できる作品かと思います。
最近観た「そばかす」で観た三浦透子さんが
出演している作品ということで興味が涌いて
鑑賞してきました。
のですが… 。
作品の世界に、上手く入り込めなかった感じです…。 むぅ
なので、モヤモヤした感じが残りました。
何故かなぁ… と振り返ってみて
思い当ったのは
#ヒロインは、何故この島に来たのか。
#東出に、どんな十字架を背負っているのか。
#小さな女の子は誰の子?
#東出をなじる初老の男は誰? 奥さんの父親?
…etc
そういった事が語られないまま
話が進んでしまうから、と そんな気がします。
登場人物の 「背景」 と
登場人物間の 「関係性」 。
そういったものが、
観ていく内に何となく分かってはくるけれど、
ストーリー冒頭まだ見る側の理解が浅い段階から
「登場人物の感情のたかぶり」
「こだわりの部分」
の描写が続いて描かれていて、
「理解」 や
「共感」 を感じられず
最後まで 「傍観者」 として 観てしまった感じです。
※何か大事なポイントを見落としてしまったのかなぁ…
そうならば悔しいし、申し訳ないのですが。。
◇ 最後に
空飛ぶ風船
風船が1個だけ空を飛んで行く場面なら
色々な作品で目にしてきたように思うのですが
「風船2つ」 をヒモで繋いで飛ばすのは
新鮮な光景でした。
「Uの字」 になって飛ぶのですね。
繋がってる感がありました。
◇最後の最後に (…観終えて2週間過ぎて思うこと)
風船が飛べない理由は
重いものが詰まった風船そのものと
風船を縛りつけてしまった人の
それぞれにあった。 ということ…なのでしょうか。
重さが軽くなり
縛りを解かれて
二つ一緒になら、飛んでいくことが出来た。
最後の場面をそう理解すれば、
余韻を感じられるエンディングという気がしてきました。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
タイトルなし(ネタバレ)
東京で教師をしていた30歳前の凛子(三浦透子)。
父親が定年後に移住した瀬戸内海の島にやって来る。
教師生活でうつ病になり、最近は派遣で事務をやっていたが、派遣期間も切れてしまったのだ。
何もない島での暮らしは、彼女を蘇らせるのに最適と思われたが、ストレスフリーというのもかえってストレスを溜めるのかもしれない。
そんな中、着いて早々、凛子の父のもとを訪れる無口な男性・憲二(東出昌大)と出会う。
島で漁師をしている憲二だが、妻子を数年前の豪雨災害で喪うという過去があった・・・
といったところから始まる物語で、その後、大きな事件は起きない。
島で暮らす女児が行方不明になったり、凛子の父親の持病が悪化して倒れて救急搬送したりというエピソードはあるが、それはアクセントでしかない。
映画は、心にトラウマというか大きな傷というか、そういうものを抱えた凛子と憲二が少し寄り添い、互いの傷を分かり合う、ただそれだけの物語として帰結する。
「ただそれだけ」と書いたが、ただそれだけで映画を作るのは難しい。
難しいのだけれど、この映画ではそれが成立している。
理由は、三浦透子と東出昌大、ふたりの無表情さ、ある種のかたくなさ、ハードボイルドの面持ちにある。
こわばった表情の中に、観るものを同化させるというか、そういうものがふたりにあるように感じます。
このハードボイルドの無表情さが、終盤の東出演じる憲二の嗚咽のシーンを際立たせており、彼のどうしようもない感情のほとばしりをみることによって、凛子はふたたび教職に戻る決意を得るのだが、ほんとうにこのシーンは素晴らしい。
東出の嗚咽もさることながら、それをみている三浦の(なにもしない)演技がいいのだ。
と、物語としてはそれほどでないが、三浦と東出の等身大の人物像が胸を打ちました。
撮影機材がお粗末な感じで、若干、映像的に緩いのが難なのだが、そこいらあたりは目をつむることとしましょう。
評価は★★★★(4つ)としておきます。
ガッカリした映画版コトーとは違う良作
離島を舞台に、リタイアした小林薫が演じる男性と島の人々。
漁港も船も当然のように出てきて、漁船で近くの島まで病人を運ぶシーンも。
コトー先生がいなくなった志木那島のようで、ガッカリ要素ばかりだった映画版コトーではなく、こちらこそがDr.コトーの完結版のようなイメージすらあります。
東出さんや三浦さん、浅田さんなどの静かな演技も素晴らしく、しみじみと見てよかったと思わせる一作でした。
ラストでオマージュ元のようにたくさんの風船を出してほしかった気もしますが、あくまで控えめになっているのがこの映画の良さでもあるのでしょう。
【”二つの繋がれた空に舞い上がる黄色い風船。”深い喪失感から心を癒し、再生して行く姿を東出昌大、三浦透子が見事に演じた作品。未来に対する希望が垣間見えるラストシーンが、印象的な作品でもある。】
ー 妻を亡くした父(小林薫)の住む、瀬戸内海のある島を凛子(三浦透子)が訪れる。彼女は教師をしていたが鬱になってしまい、派遣社員として働いていた会社も期限が切れたから・・。
一方、島の漁師、憲二(東出昌大)は数年前の災害で、妻子を土砂崩れで亡くし、自らも駆け付けた事故現場で足に大怪我をし、心を閉ざし、笑顔無き暮らしをしていた。-
◆感想
・この作品で、憲二を演じた、東出昌大さんの冒頭、妻子が土砂で埋められたシーンの必死に砂を掘る表情や、中盤までの精気の抜けた男を演じる姿が印象的である。
元々、凄い俳優さんだがこの作品での彼の哀しみを抑制した演技は、流石だと思う。
・凛子を演じた三浦透子さんも、抑制した演技ながら確かなる存在感を醸し出している。
・名脇役の凛子の父を演じた、小林薫さんや、居酒屋を経営する明るいお母さんを演じた浅田美代子さんが、脇を固めており安心感がある。
浅田さんの存在が、この作品に貴重な明るさを齎している。
そして、亡き母を演じた原日出子さんも、良い。
■この作品は、大切な家族を亡くした憲二が、それでも一人生きる姿を前半パートは、哀しみを湛えて、後半パートはそこに、凛子や島の心温かき人たちが寄り添う事で、憲二が少しづつではあるが、再生して行く姿を丁寧に描いている点が良いと思う。
娘を亡くした義理の父(堀部圭亮)の前半と後半での憲二に対する、接し方の変化も絶妙である。
<ご存じの通り、ここ十年程、激甚化する気象により土砂災害、水害が絶えない。多くの方が亡くなり、深い哀しみを堪え乍ら生活している人が、多数いらっしゃる。
今作は、そのような状況下、”もう一度、教師になる。”と言って島を出る凛子に対し、それまで息子の面影と思い飛ばせなかった黄色い風船を二つ結んで大空に飛ばした憲二の心の再生と、未来に対する希望が垣間見えるラストシーンが、印象的な作品である。>
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