「狼、山羊、黒豚」ノベンバー 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
狼、山羊、黒豚
宮崎駿の世界観をダークファンタジーに、違うか、勝手なイメージで未鑑賞ながらチェコの『マルケータ・ラザロヴァー』に近い雰囲気を、アンジェイ・ズラウスキーの『悪魔』を思い出したり、年寄りたちを映す映像がタル・ベーラの作品を観ているようで、一番近いのはロバート・エガースの『ウィッチ』が鮮明に、陰鬱で重苦しくて小難しい、そんな感じで物語があるかと思いきや全体的にポップな感覚の印象を、十字路での悪魔の契約はロバート・ジョンソンか、オマケに「ひょうきん族」に出て来る懺悔のオッサンみたいなコミカル描写、棺を乗せた馬車のすれ違いは素敵に思われ。
御伽噺のような映像の美しさに魅せられ、不思議な世界観と緊張感が途切れてしまう場面の数々に笑わせられ、残り過ぎる謎を楽しみながら次作にも期待してしまう監督ではある。
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