「周回のテンポ感を上げることでマンネリを回避した和製タイムループコメディ。 ただ笑えるだけじゃなくて、めちゃめちゃ感動できる秀作。」MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 最凶線さんの映画レビュー(感想・評価)
周回のテンポ感を上げることでマンネリを回避した和製タイムループコメディ。 ただ笑えるだけじゃなくて、めちゃめちゃ感動できる秀作。
ある会社のオフィスで同じ1週間が無限に繰り返してしまうタイムループ現象が発生してしまうというストーリー。
この映画は日本映画ではなかなか見たことないオシャレなオープニング映像から始まっていてとても期待値が上がりました。
そのあとのストーリーに関わってくる要素を紛れこませながら、巻き戻し映像にすることでタイムループ物っていうテーマを表現したオープニングで素晴らしかったです。
数多あるタイムループ物の作品と違ってこの作品が素晴らしかったのは、タイムループの進むテンポ感と展開のさせ方だと思います。
他のタイムループ物が大体多くても3〜4周くらいの出来事をたっぷり描いているのに比べて、この作品では冒頭の5分くらいで1周目が終わってその後もとんでもないスピードで周回が増え続けていきます。
無駄なシーンを削ぎ落として周回のテンポを上げることで、挑むべきミッションにトライ・アンド・エラーを繰り返して徐々に改善していく様子を描いていたのが斬新でした。
ああゆうタイムラプス的な長期的なスパンで何かを成し遂げようとする描き方は、劇中でも言及はあったオール・ユー・ニード・イズ・キルぐらいでしか見たことないし、かなり新しい描き方だったような気がします。
そしてこの作品は中盤くらいまでは社員たちがループから抜けだそうと奮闘するSFコメディだと思っていたんですが、中盤以降は人生の後悔についてとか人生において何が本当に重要なのかを問うなかなか深い話になっていてとても染みました。
部長が書いていた漫画も単行本が発売されたら必ず買いたいくらい良いストーリーでした。
全体的に食傷気味のタイムループ物のなかでなかなか新しくて面白いアレンジを加えてきたかなりの秀作だと思いました。