「運とは人間関係だと言われるが、彼女はこの言葉を体現している」ミセス・ハリス、パリへ行く 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
運とは人間関係だと言われるが、彼女はこの言葉を体現している
主人公ハリスのファッションやパリの街並み等、全てがお洒落。また、ハリスを演じるレスリー・マンヴィル本人が可愛らしい人なので、観ていて温かい気持ちになる。
ハリスは家政婦として勤めていた家で、ディオールの服をクローゼットで見かけたことがきっかけで、パリのディオール本店までわざわざ服を買いに行く。ディオール本店では、ディオールの服を着たモデルが着こなしを披露し、彼女は夢中で服を選ぶ。服を選ぶときの彼女の心情は、ファッション好きなら共感できるだろう。私もファッションは好きなので、映画を通じて彼女の服に対するときめきを共有することができ、それだけで楽しい気持ちになった。
ハリスの周囲の人間に対する純粋な思いやりや愛情は、やがてディオールの販売戦略まで変えていくことになる。運とは人間関係だと言われるが、彼女は作中でそれを体現している。彼女の素敵な人柄に触れた周囲の人は皆、彼女のために協力したくなるのだろう。
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