「愛すべきミセス・ハリス」ミセス・ハリス、パリへ行く SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
愛すべきミセス・ハリス
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主人公のキャラクターがいい。戦争から帰らぬ夫を待ちながら、癖の強い複数の雇い主のもとで掃除婦を掛け持ち。本人はいたって朗らかで人が好く、仕事にも誇りを持ってあたっている。もうこの時点でこの人に幸あれ、と思ってしまう。
ある日、雇い主の美しいドレスに心を奪われ、どうしても自分でも手に入れる決意をしてパリの一流メゾン、ディオールに出かける。次から次へと障害が現れるのだが、知らず知らずに助けの手が差し伸べられて、夢のドレスに近づいていく。そして、もちろん、正義心から自分とは関係のないお針子達の雇用問題にも首を突っ込んで人助け。それが経営難に陥っていたメゾンをも助けることにもなり、ディオールからも感謝される。
他にも、恋のキューピッドになったり、やっとできたドレスを雇い主に貸してあげたりと善行をするのに、自分は失恋したり、ドレスが焼けてしまったり、何度も心が折れそうになる事が起きるので、余計にミセスに声援を送る。情けは人のためならずのことわざは欧米にはあるのだろうか、最後には救いの手が差し伸べられるのでよかったぁ、と安堵でき、カタルシスの味わえる作品。
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