「実存証明にも骨が折れるでござる」ミセス・ハリス、パリへ行く bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
実存証明にも骨が折れるでござる
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82-62ってw
cmなんですね。大戦後のフランスなのに。と、どーでも良いとこで引っかかるw
他国籍合作に名作無しと言う、個人的なジンクスに反して、コレは素晴らしかったです。力み無しの心が暖まる小さな物語り。裏テーマに革命があったり、サルトルの実存主義があったりします。ミセス・ハリスの行動原理は実現主義に沿っており、まさに積極的に自らの身を《状況》に投じて行きますが、オラオラ感が全く無くて、好感度高いw
映画の中ではサルトル哲学をVisible/Invisibleと言う言葉に象徴化/単純化した上で、脚本に反映していて、かなり頭を捻った感じがするのも、個人的には好き。
結論。時間を掛けて書かれた跡が見える、とっても良い話でした。毒が無さ過ぎですけどねw
家政婦として「見えない存在である事」が常となっているミセス・ハリス。夫の戦死を機に透明人間から脱し、関わる人達の生き方も変えると言う、良くあるハッピーストーリー。
ミセス・ハリスはサルトルの著書名をミステリーだと勘違いします。逆に、本の持ち主であるナターシャは哲学を学んでも実践出来てない、と言う皮肉。最終的に、ナターシャはミセス・ハリスに触発され、夢を実現するためにパリを出て行こうとしますが、ミセス・ハリスとアンドレに引き留められてディオールに戻ります。
このナターシャ役のアルバ・バティスタの可憐な美しさに完落ちしました。瞬殺ですw
画も綺麗だし、金と時間をかけて緻密に作られてるし、テンポも良いし。ミュージカルに懲りた、イギリス映画の意地みたいなもんを感じつつ。
パンフのデザインも可愛くて思わず買ってしまいました。
良かった。
とっても。
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