「冒険家にしてシンデレラ」ミセス・ハリス、パリへ行く regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
冒険家にしてシンデレラ
一目惚れしたディオールのドレスを求めてパリに行くミセス・ハリス。ドレスはお宝(マクガフィン)で、目的地パリは未知の地という構図は、ちょっとしたアドベンチャー映画になっている。
ロンドンでもパリでも上流階級からの差別・偏見を受け落ち込むも、親切心と不屈な精神力という武器で乗り越えていく。出会った人々はその姿に魅了され、いつしか彼女の味方に。「こんな上手い話ありえんわ」と切り捨てるのは簡単だけど、冒険家でありながらシンデレラでもあるハリスさんの前では、それすら詮無い事に思えてくる。
ディオール自体は高級ブランドでも、そこで働くのはセレブでも貴族でもない一般の人間。そこに生じる歪みや階級の是非を、原作より強めているあたりが現代らしい。
ハリスさん役のレスリー・マンヴィルが実にチャーミング。
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