「湿地で孤独に生きた女性の生涯」ザリガニの鳴くところ アンディぴっとさんの映画レビュー(感想・評価)
湿地で孤独に生きた女性の生涯
暴力に耐えきれず出て行った母親、徐々に家を出る兄弟たち。残ったカイアを父親まで置いて出て行ってしまう。もうこれだけで酷すぎて、一つ物語が出来そうだが、カイアの物語はまだ始まりにすぎない。
たった6歳で1人になった少女。普通ならここで行政の手が差し伸べられそうだが、そうならない。時代的なものか、カイア自身も拒んだのだろうが、1人で生きると決めたカイア、貝を摂り、売ってお金を得る。小売店の老夫婦が手助けをしてくれたのが微かな救い。
それにしても、よく1人で生きていけたな。物語とはいえ、胸が苦しくなる。年頃になって出会ったテイト、恋に落ち、別れが来てもいつかまた帰ってくると信じて待つ。でも約束した時にケイトは帰ってこなかった。ケイトに罪はない、そりゃあ悩むよね。でもケイトのおかげで読み書きもできるようになって、本を出す手助けもしてくれて、よかったとは思う。
次に出会ったチェイスが、結局死んで殺人の容疑がかけられるが、チェイスは暴力的だし、カイアのことはただの浮気相手としか見ていない、腹立たしい奴。
裁判が始まり、無罪になったが、では死の真相は?はっきりしないまま、一気に物語は進んで、カイアとテイトが共に暮らし、年老いてカイアが死んで、、、、この流れが早すぎて、もう少し時間をかけて語られてもいいのに。
1人になったテイトが片付けていると、一冊の本の中から見つかるあるもの。本当に最後の最後で真実がわかるのが、驚愕、でもそこがとても良かった。
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