「古きアメリカの美しい湿地に生きるのは、魔女?それとも野生児?」ザリガニの鳴くところ Zackさんの映画レビュー(感想・評価)
古きアメリカの美しい湿地に生きるのは、魔女?それとも野生児?
魔女狩りを扱ったミステリ―と捉えるには、勿体ないほどの強く、しなやかで美しい女性を描いた物語です。
60年代オールドファッションの南東部アメリカ。ノースカロライナは発達心理に明るい大学もありながらボートを移動手段とする湿地帯で独自の生態系を持つ地域でもある。
家族が離散し、世捨て人として生きること余儀なくされた主人公。コミュニティから隔たり、蔑まれ、学校にも通わず1人で生きるために自立し、自然と共存する彼女もやがて出会いと喪失を経験し。。。というくらいで説明はとどめておくべきか。
生態系図鑑を発行してくれた出版社との会食で、彼女は「ホタルの光りには補食と交尾の二つの目的がある」という話を述べる。「昆虫には道徳心がないからね。」という返答に対し、「自然に善悪はないのかも、、いきるための知恵よ。」
俗世を離れて湿原の生態系から学びを受け、人間の善と悪の両面の出会いを経てただ自分を守らねばならなかった彼女の台詞は心に打つ。
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