劇場公開日 2022年11月18日

「サスペンスでもなければ法廷ものでもなく、人間ドラマ。」ザリガニの鳴くところ snowwhiteさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0サスペンスでもなければ法廷ものでもなく、人間ドラマ。

2023年7月21日
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暴力を振るう父に耐えかねて母が出ていき兄弟も次々いなくなりそして父にも捨てられ6歳にして1人で生活を始める主人公。 皆に蔑まれ、村で唯一親切にしてくれるのは貝を買い取ってくれる黒人夫婦のみだった。 やがてテイトと知り合い字を教えて貰う。彼は彼女に研究を出版するよう勧めるが大学に行くため村から出ていってしまう。5年間全く連絡が無いテイトに彼女は傷つきチェイスと付き合い出すがチェイスに婚約者がいることが分かる。 チェイスと別れようとするがしつこくつきまとうチェイス。 ある日チェイスが死に彼女が疑われる。彼女は町で出版社の人と会ってアリバイが有るのだがそれでも無理やり犯人に仕立て上げられる。陪審員の全員が彼女を蔑み馬鹿にしてきた村の人々だ。魔女裁判に近いものがある。無実を勝ち取れるのかというのが定石だがこの映画は裁判はあくまでも添え物に過ぎない。湿地の少女がどう生きたかを丁寧に描いた作品。

ラストは観客に委ねる形にはなっているものの多くの観客がやっぱり殺していたのだと思うのだろう。

でもそれだとテイトがあまりにも可哀想だと思うのでやっぱり殺してはいなかった説を唱えてみよう。先ず深夜にバスで戻るって深夜にバスなんか走ってないよ。深夜バスがあったとしてあんな村行きの深夜バスに乗る人なんていないからバスの運転手が彼女を覚えてないなんて有り得ないね。戻ったとしてどうやってチェイスの居場所が分かるのか?誘きだしたら誰かにカイルに会いに行くと喋るかもしれない。限りなく犯行は不可能な気がするんだけどな。大体殺したとしてそれを日記に書いて証拠のネックレス保存するなんて有り得ないよ。それにしても何故ネックレスを隠し持ってた?証拠でなくてもチェイスとの思い出の品なんか女性は一番先に捨ててしまうと思うんだけどなあ。

殺したとしたらテイトがあまりにも可哀想。何も知らず殺人犯と暮らしてきたのだ。殺してなくてもテイトが可哀想。妻が別れた恋人の想いでの品を後生大事に隠し持っていたのだから。カイルの人生を思ってカイルに感情移入すべき映画なのだとは分かっているが私はカイルに感情移入出来ない。テイトの気持ちになってやりきれない思いでラストを観た。

snowwhite