「他には無い「死」の描き方」ザリガニの鳴くところ とくこさんの映画レビュー(感想・評価)
他には無い「死」の描き方
序盤にある保安官のセリフが「どすこいどすこい!」にしか聞こえません。
それはさて置き、
今まで観たことがない死の描き方である点でこの映画を高く評価します。
悲劇でなく、かと言って救いや平穏でもない。
美しい自然風景と静かな安らぎ。対となる先が見えないサスペンスを掛け合わせた秀作。
「死刑でも無罪でもいい」
主人公は言います。この台詞に私は納得できませんでした。
殺してないけど死刑でも構わないと投げやりになるほど他人との絆が希薄な人ではない。
かと言って、愛してもいない男を殺せるはずもない。
ではいったい誰が?
真犯人はこの人だろうなと予測しながら観ていましたが、意外なラストでした。
しかしこの結末があってこそ、「死刑でも無罪でもいい」という台詞は物語を象徴しているのだと感じました。
自然、愛、死
全ての描き方が唯一無二で、心に残る作品となりました。
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