「何故高評価なのか理解できない。」ザリガニの鳴くところ TWさんの映画レビュー(感想・評価)
何故高評価なのか理解できない。
冒頭部分で青年の変死体が発見され、カイヤという主人公の女性が、その嫌疑を掛けられる。
その後、弁護士にカイヤが自身の半生を語るという形で、カイヤの生い立ちの回想がはじまるわけだが...
その生い立ちが、面白みに欠けている。
もう少し情緒豊かに表現してくれれば、また違った感想になったかもしれないが、実に単調で淡々としている。
父親によるDVや母親の家出、恋人の裏切り等、孤独な立場に立たされるカイヤであるが、それらが叙事詩のようにあったことを並べただけのようで、心の琴線には触れなかった。
本来、孤独の描写とかは好きな性分であるので、感情移入もできるし、グッとくるはずであるのに、この映画の鑑賞に際しては、まるでそれを感じなかった。
また、父親によるDVや学校に打ち解けられないカイヤが、色恋に対しては、その傷やハンデなど微塵もないが如く、事も投げに、心開いて、対応できる点なども、ご都合主義に思えてしまった。
中盤辺りから、そのようなストーリーに対する懐疑心が生まれてしまったので、終局に当たっても、「そうなの。でも、だからなんだろう」と思えてしまった、
どこかで似たようなドラマを観たことがあるような即視感も相まって。
一つよかった点を上げるとすれば、壮大な自然を映した映像美だろう。
そこだけよかった。
ということで、私には何故この映画の評価が高いのかまるで分からなかった。
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