そばかすのレビュー・感想・評価
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心を入れ替えよう
久しぶりに会った友人とかに、結婚しないの?とか、子どもはいいよー、とか安易にポロッと言いがちだったけど、そういうのはもう昭和平成に捨てて来なければならなかったんだな。
子育てに追われてる時はつい、ママ友付き合いするうちに〇〇ちゃんママ、〇〇ちゃんパパみたいな呼び方をしてしまったり、恋愛して結婚して子どもをもうけることが全てみたいな価値観が世界の全てのように感じてしまいがちであった。
これからはこころを入れ替えて、今目の前にいるその人自体と付き合って行こう、その人自身の話をしようと思わせてくれる映画でした。
王子様の求婚を断るシンデレラの続きのお話が観たかったな。
そして、一緒にキャンプに行ったり一緒にデジタル紙芝居を作ったり、議員の父親に怒りをぶつけてくれる前田敦子みたいな友達が欲しくなりました。
前田敦子は最後はあっさり結婚してしまうけど、結婚するという価値観も、結婚しない恋愛しないという価値観とともに逆に認められなければならない。
だから親友の結婚を、チェロの演奏で精一杯祝ってあげるシーンは素敵でした。
シンデレラの動画紙芝居に感銘を受けてくれた北村匠海が出てきてからの続きのお話も観てみたくなりました。
ドラマの恋せぬふたりも良かったけど、三浦透子がドラマよりリアルにアロマンティック、アセクシャルの感情を表現してくれていた気がします。
特に、ホテルの部屋で気の合うラーメン屋と飲むシーンに胸が痛みました。
若く美しければなかなか、男女の友情が成り立ちにくいのは残念です。
おばちゃんになればなるほど男女の友情も成り立ちやすくなる気がしていますが、若いうちはあんなことの繰り返しなんだろうなーと。
世の中全体で個人それぞれの生き方に対し認め合い、他者の考えが自分と違ったとしても理解を深めていきたいなと思いました。
こういう映画はLGBTQIAに理解のある人が観て、理解のない人はそもそも観ない確率が高そうなのが残念です。
空気感が好き・・・まだまだカスミの人生はここから・・・
蘇畑佳純を理解することは、難しかったです・・・。
他人に対して恋愛感情を抱かない女性・・・として
カスミ(三浦透子)は描かれています。
その理由を、男性(女性)に性的な興味を感じたことがない。
と、本人は言っています。
でも・・・
私には競争社会から降りた人・・・そう見えてしまうのですね。
《カスミはチェリストになる夢を諦めた》
その挫折を引きずっている人。
そこからの人生が描かれていて、チェリストを諦めた理由は、
「なんか自信、なくしちゃった・・・」と呟く。
ラストで、友達の真帆の結婚式でスピーチ代わりに、
チェロを演奏をします。
(ヘンデルのオンブラ・マイ・フー・・・独唱されることが多い曲です)
そして喝采を受けて、これがチェロとの訣別になる・・・
と、カスミの言及がある。
ここでも私は戸惑いました。
なぜチェロと決別することを、成長や区切りのように描くのか?
つまりそれは、
チェロがカスミにとって重い大事なものだったから。
☆☆☆
ファーストシーンを観てみました。
☆☆
なんと、砂浜に座るカスミの頭の中に、チェロの不規則なメロディの断片
・・・ノイズのようにチェロが鳴っている・・・
監督の玉田真也さんは、
《音楽専門学校に行くつもりだったが叶わずフリーターをしていた》
と、経歴にそうあります。
玉田監督は脚本を書いていませんが、
《音楽を諦めた人》で、
(フリーターをしていたが、大学生が楽しそうだったので、勉強して、
(慶應大学に入学して卒業したとあります)
カスミはチェロの弦が切れても放っておくほどの、
トラウマ体験をしているのかも知れない。
音大は競争社会で能力の優劣を、否が応でも意識せざるを得ない大学です。
(私は音大出身で才能の有る無しを嫌と言うほど思い知らされたものです)
音大生の持つチェロって、200万円から500万円くらいするのでは?
入学までのレッスン料に学費その他・・・。
親はそのことは責めないで、結婚、結婚とカスミを責める。
(やはり解せません)
チェリストになりたかったなら、
ソリストを目指していたのでしょう。
そして挫折した。
競争から下りて傷を癒しつつ、
静かに生きる道を選んだ。
かなり以前から教育現場が変化しています。
1、小学校では50メートル走の順位をつけない。
2、親の職業を聞かない、
3、生徒の住所も明かさない、
4、教師は家庭訪問を辞めた、
5、子供たちは互いに下の名前で呼び合う、
(かなり大きくなるまで、お互いの姓を知らない)
差別をしない、
競争をしない、優劣をつけない、
その教育の陰で、
実は熾烈な虐めが行われていたり、
不登校が増え続ける。
コールセンター勤務から幼稚園教諭に転職しただけでも、
生身の人間と向き合う仕事。
カスミが変化したように思える。
そして世永真帆(前田敦子)と共に、
新解釈「シンデレラ」の紙芝居を作るものの、
勇気がなくて途中でやめてしまう。
この映画は、
生き方の多様性を描いたようでいて、
自らの意志で競争から下りて、迷いながら
生き方を探し求める若者の姿を
描いているように見える。
ラストに登場する同僚役の北村匠海。
考えの似てる彼が、ソバタ・カスミの人生の起爆剤になるのかも知れない。
ソバカスの試行錯誤は、
まだまだ続く。
40代のカスミ、
50代、60代のカスミを見てみたい。
そう感じる映画だった。
前田敦子のキャラが強い
恋愛感情がない女性が主人公なので「やがて君になる」を彷彿とさせ、若干それっぽい流れにもなるが、こちらはよりリアルに一人で現実に対峙する。
主人公が家族には強くでるが、外ではあまり主張しないので、若干消化不良感がある。その分友人役の前田敦子が主張するのだが、それで主役を食ってるような?
映画では主人公は理解されないが、現実、こういう人って割といると思う。
前田敦子、映画では結構見るが、今作は特によかった。
共感
普段の私だったら起伏のないストーリー、
いつも背が丸くて魅力に欠けるヒロインにうんざりしていたことだろう。
事実、妻は余り好感を持っていなかった。
私がこの映画を評価するのはヒロインへの共感以外にない。
私には性欲はあったので結婚はして家族を持ったが、
それ以外の点の生きづらさはヒロインに強くシンパシーを感じる。
北村匠海が歓迎会を断る気持ちも
別々に映画を見る気持ちも手に取るように理解できる。
私も妻に別々の映画を見ようと提案することがよくあるが、
妻は怪訝な様子で理解してくれない。
それがこの映画への評価の違いに表れている。
役者の中では前田敦子には驚いた。
雰囲気のある女優になったと思う。
三浦透子さんというだけで期待値は上がったけど、周りの評判が良くて...
三浦透子さんというだけで期待値は上がったけど、周りの評判が良くていく。シナリオも良かったけど、透子さんと前田敦子さんのナチュラルな演技がよかった。
シンデレラはサイコー。最後まで見たかった。
お父さんを巻き込んだ家族の物語になっていること、敦子さんの話も構造的によくできていた。細部の話もいい。
誰にでも元気を与えてくれる
なんとなく印象に残る脇役の多かった印象の三浦透子さんが、ずっと主演で中心にいるとその表情の豊かさに、今更驚くばかりです 8年前「私たちのハァハァ」という女子高生4人が北九州から東京を目指すロードムービーがあって、その1人が三浦さんでしたが、8年経ってこんな立派になられたことに嬉しさを感じます 本作のタバコのポスターも、また仕事の休憩中にタバコを吸うシーンも、適度な「やさぐれ感」がある一方で、子どものような表情をみせる場面もあって、そして最後の歌も、彼女あっての作品となりました 自分の思いとか、考えていることが否定され続けていても、ちょっとでも理解してくれる存在があると、それまでの鬱積が消えて目の前が大きく開けていく 押しつぶされそうになるしんどさにあっても、少しの理解者があれば頑張れるのかもしれない 父親にとっての娘のかけてくれる優しい言葉もまたそうなのでしょう 子どもの時から観ていた田島令子さんも安定した存在感でした 前田敦子さんも適度な「やさぐれ感」の役が多いように思いますが、ますます安定されていますね(3月5日 ジストシネマ和歌山 にて鑑賞)
年の初めだったら初笑い!?
2022年の最後にふさわしいクスッと笑える作品でした。婚活、恋愛、多様性
普通とは違う価値観で描かれたシンデレラの
デジタル紙芝居、とても面白かったです。
母親に連れられて当日にいきなりお見合いだと知った三浦透子さんの演技も良かったです。
議員の選挙に出馬して演説の真っ最中に
横から娘さんの飛び入り参加!?
男性よりも女性の方が強く描かれていました。
三浦透子さんの妹役の伊藤万理華さんは
サマーフィルムにのっての映画を観てから
他作品でも見たいと思っていたので
それも合わせてファンタスティックでした。
三浦透子
が、実際に共感性の無い人にしか見えなくて、自分にはドキュメンタリーになってしまいました。なので映画は悪くないです
キャスティングに文句言うつもりは全くないですが、例えば清原果耶とかの儚げ女優さんだったらもっとジレンマを感じられたかもしれないのです。まあ、ジレンマ感じないでくださいと云うのもあるのかな?
ジェンダーについて考えさせられた。
ジェンダーについて深く考えさせられた。
三浦透子さんの演技が心地よく、ジェンダー問題に対する葛藤がこちらまで伝わった。
普通ってなんだ?て思わされるようなシーンが多く、マイノリティな主人公らの考え方は、時に他人に押付けてしまうような描写もあった。ただ、主人公らは日頃から窮屈な思いもしているので、それを否定されたシーン時の辛さは観客の私の胸を締め付けるような感覚に陥った。
理解しようという気持ちが強く、中々感動は出来なかった。
ただ、いい作品だったし、羊文学(歌うのは三浦透子さん)の主題歌も良く、本当に見てよかったと思う。
そばかす蘇畑佳純は素が素敵
「そばかす」玉田真也監督
三浦透子主演
刈谷日劇
恋愛感情が備わってない人、蘇畑佳純そばたかすみさん
人に対して疎外感があるものの人との付き合い方は良いと見えた。
自分を大事にすること
本当の自分のままで
人とつながることの大切さ
人との関係の中で気持ちを素直に出せて
大事な自分になっていく。
家庭の中で日常にある感情が交錯し合い皆んなある意味で素直でそのままだけど、芯にある自分を言葉にできるって大事だね。
そばたさんの周りの同級生2人がとても良かった。
多様性と言う言葉で
自分寄りの付き合いだけに埋没しないところが
これからの社会に希望が持てる映画だった。
感情は自由に持っていいものです
大昔から個人個人バラバラであったのだろうと薄々みんな分かっていたと思うのです
時代によって大人達が勝手に枠を作りそこへ当てはめていたのでしょうね
まだまだ人類は未熟で幻のような常識の中で生きていくには己を出すことがまだ危険な時なのかもしれないのかも
正義も曖昧だし大国が戦争もしている
その一方では何々ハラスメントと言っていったい何をどうしたら良いのかも模索中
個々の性格や癖や思考、思想などを分析してしまったら誰だって何かしらの病名がついてしまうのかもしれないな〜などとずいぶん前から思ったりしています
丸四角メガネの人が言ってました
人と関わることは大なり小なり人を傷付けてしまうことなのだと
本当のことをカミングアウトしたら親が悲しむかも知れない、「好き」と言われてそれを拒んだら相手を傷付けてしまうこともあるでしょう
人と関わるのはそれを踏まえて人と生きていくしかないのでしょうかね
あまり臆病にならずにもっと楽になってもいいんじゃないかと思います。
自分に正直でありたい。
映画を観ると、自分がいかに固定観念に囚われて生きているかを改めて思い知らされて、もはや気持ち良い。
初っ端の合コンのシーンで、好きかもと言われるシーンハッとさせられた。
自分の意思が希薄な私は、自分が相手をどう思うかに関わらず、好きかもと言われたら、一気に自己肯定感があがり、選ばれた、ということに舞い上がってしまうと思う。
自分の意思に関わらず、相手に選ばれることにしか自分の価値を見出せない、旧タイプのシンデレラと全く同じだった。
なので私は終始、苦しむことや悩むことも多いけど、自分の気持ちに正直なカスミが眩しかった。
もっと自分の気持ちを大切にしなければ、勝手な常識に囚われていると、自分に正直に生きている人を苦しめたり、理解できなくなってしまう可能性があることに気付かされた。
わたしは常に人の目が気になってしまうし、誰にでも好かれたいと思ってしまう。その意識より、自分の気持ちに比重を置きたい。
まずは映画を観終わった後の、たくさんの人で賑わう繁華街でひとり、気ままに歩いてみた。
自分が気持ちいいな、と思う方向にいきたい。
そんな、柔らかくて清々しい気持ちで歩く帰り道が心地よい映画。
ダイバーシティ
世の中の固定観念、風潮に生きづらさを感じてる方に見て欲しい作品です。肩の力を抜いて鑑賞できます。ダイバーシティなどの流行フレーズを叫ぶ人にも見ていただきたい。三浦透子さんの演技も自然体です。
恋愛感情を持たない女性の「なんでもない」1人の物語
恋愛感情を持たない人をアセクシュアルと言うらしい。そんなヒロインの何でもない物語。その「なんでもない」雰囲気が色々と考えさせてくれる作品。
30歳、独身。親は口うるさく、妹夫婦は騒がしそうだ。無理やりお見合いをして、良い人と出会うが…。メ~テレの映画レーベル、(not)HEROINE moviesの3作目は、欲しがらないヒロイン。いや、それが分からないヒロイン。もちろんそれが悪いとか良いとかの話をする訳では無い。ただ、適齢期とされる30歳に迫る転機は皮肉にも結婚や恋愛なのである。客観的に捉えながら何度もその感情を問い続けてきたカスミの感情をひらりひらりと観ていく。
玉田真也監督のトークセッション付きの試写会だった為、いくつかウラ話を聞くことができた。中でも興味深いのは、作品の7割がワンカットであることだ。舞台畑の人だからとも思っていたが、どうやら意図したモノらしい。そこで流れる空気感、家族や友人との関係で生まれるユーモアが感情を交錯させ、暗いトーンになりすぎないような工夫がされている。私はそこにある言葉を重く受け止めてしまったが、割と周りは受け入れたこともあってか笑いにも変わっていた。良し悪しではなく、それだけ普遍的で人間のユーモアが強いのである。そこがワンカットと相まって爆発していく。実に面白い反応の数々だ。
主演は三浦透子さん。『ドライブ・マイ・カー』を始め、何かと飄々とした姿を連想するが、この作品では実に表情が多彩。喜怒哀楽が全面に出た、彼女の主観が覗く作品になっている。共演には前田敦子さんや伊藤万理華さん、佐藤玲さんに北村匠海さんといった豪華なメンツ。静岡のロケーションもあり、見応えと柔らかさが効いていた。
自身のあるべき姿のために立ち向かうことが全てではない。だが、受け入れてくれる人を待つことも悪くないのかもしれない。自分を保つためにすり減らしても良いことはないのだから。ダサい走り方でも、今を懸命に走ればきっと見えてくる。
価値観の衝突
蘇畑佳純、30歳。
周りは次々と結婚し、妹も結婚して子供を授かる中で、全く恋愛や結婚の気配がない彼女に対して、母親はしつこく結婚を勧める。
しかし、彼女は恋愛感情や性欲が全く湧かない体質であり、人生において恋愛や結婚をそこまで重要だとは考えていなかった。
そんな彼女の葛藤の日々の物語。
いわゆるアセクシャルと呼ばれるセクシュアリティの人の話。
よくセットでアロマンティックというセクシュアリティも聞くけれど、佳純の場合は恋愛感情も性欲もないということなので恐らくアセクに分類するのが正しい。
とにかく恋愛しない人の映画な訳だけれどものすごく良かった。
近年、こういうセクシュアリティがあることが世間的に認知され始めてきていて、『恋せぬふたり』とか『今夜すきやきだよ』とか、この問題を取り扱う恋愛しない作品が多く作られるようになった(かくいう私も恋せぬふたりでこのセクシュアリティを知った)。
確かに素直に考えれば恋愛しない人もいて当然だなと思うわけだけど、今まで生きてきた中で恋愛することが当たり前、結婚はした方がいいと常識として固定化されているから、それを突然ひっくり返されて困惑するのもごく普通の反応だと思う。
極端な例を挙げれば、「自分が生きていくために必要ならば人を殺しても構わない」といきなり言われるようなもの。それは拒否反応を起こす。
お見合いで出会った彼についても、全てを肯定することはできないが、完全に否定もできない。
ただ、価値観は時代とともに変わる。
「今の若者は恋愛しない」などとよく言われるが、それは時代が変わったからであろう。
昔は家を継承するために無理矢理にでも結婚させられたわけだし、男は外で働き、女は家で家事や育児を行うのが当たり前とされてきた。
しかし今は違う。気軽に個人が声を発せられるようになった。多様な価値観に寛容な人間が増えた。
それこそ先ほどの大袈裟な例は戦国時代では善であるが現代の価値観ではない。
だいぶ脱線したが、ちょうど今はその転換点にいるのだと思う。
まだまだ恋愛至上主義のこの世の中。
男女の関係において恋愛関係はつきものだし、なんだかんだで1番盛り上がるのは恋バナ。
映画やドラマにラブが必要不可欠なのが現状だし、親や周りからはただ結婚や出産のプレッシャーがかかる。
ただ、そういうのが嫌な人もいるしできない人もいるのだと、心の片隅に置いておくだけでも違うと思う。
こういった作品が視野を広げてくれる。
心のキャパシティを増やしてくれる。
多様性などという綺麗な言葉で区別し、“特別”にするのではなく、日常の中に“普通”として存在できる日を心から願って止まない。
ここまで熱く語っといてお前はなんなんだと思われそうだが、私は結婚もしたいし恋愛も好きな恋愛を中心に生きてきた人間だ。
何故この話にそこまで興味があるかと言えば、この話が決して遠いものではないから。
実際、自分にはアロマ・アセクの知り合いが数人いる。
そういった人は思っている以上に多いと思う。
結婚したくないという人も多い。
自分の大切な人も現にそうであるし、若者の中では既に“当たり前”なのかもしれない。
内容もさることながら、三浦透子の主人公たる存在感が何よりも素晴らしかった。
役者としてアーティストとして、演技を超えた何か真に迫ってくるようなオーラがただ者ではない。
音大卒でチェロが弾ける主人公だが、物語終盤で一回だけ演奏するからこそとても胸に響く演奏だった。
チェロは人の声色に一番近い楽器らしい。
スピーチが苦手な彼女の声としてしっかり聴こえる。
人前で話すのは苦手、クールで感情を表に出すこともあまりない佳純ではあるけれど、真の通った意思と身に受けるネガティヴを跳ね返す心から幸せそうな感じが堪らなく良い。
前田敦子は本当に良い女優になったなと感じた。
友情出演の北村匠海は結構キーパーソン。想像以上に出演時間あって少し驚いた。
最近『手』のような、女性主人公が無口な父親と心を通わす的な話に弱い。
ノットヒロインムービーズの第三弾。
実はこのシリーズ、3作品とも新宿武蔵野館の同じスクリーンで観た。
そばかすを昨年中に観れなかったのは少し悔しいけれど、このシリーズ3本には武蔵野館の匂いが私の中でしっかりと焼き付いている。
シリーズを通して総合的に言うならば『わたし達はおとな』がベストだが、作品としては本作が1番好きかもしれない。
シンデレラの紙芝居の下りは少しモヤモヤしたが、本当に様々な価値観や考え方の扉を開いてくれる作品であるように思う。
メ〜テレ製作のこのシリーズがまだ続くかどうかは分からないが、ひとまず。
良いものを見せてくれてありがとう。
邦画はまだまだ終わっちゃいない。
AV女優のマエアツ
30歳の蘇畑佳純(そばた・かすみ)は、チェリストになる夢を諦めて実家にもどり、コールセンターで働きながら単調な毎日を過ごしていた。
妹は結婚して妊娠中、 父は鬱で休職中、バツ3の祖母は思ったことをなんでも口にし、母は、佳純に恋人がいないことを嘆きいていた。
恋愛したいと言う気持ちが湧かない佳純は、恋人が居なくても寂しくないし、十分幸せだが、周りは信じてくれなかった。
ある日、海辺で同級生の真帆と出会い、彼女のストレートな生き方に共感し、一緒に暮らそうとするが・・・というような話。
多様性の世の中だから、LGBTQや恋愛感情の湧かない人も居るだろう。そんな女性を演じた三浦透子が素晴らしかった。
伊藤万理華、坂井真紀、も良かったが、前田敦子が本作でもなかなかの女優ぶりを見せてくれた。
三浦透子と並ぶと前田敦子が可愛く見えるのは不思議だが、服のセンスも役に合ってて素敵だった。元AV女優役なら濡れ場も見たかったかな。
全144件中、21~40件目を表示