「多様化が進んで少数派が認められ、みんなが自分らしく生きて行ける世の中でありますように。この作品を観てそう願います。」そばかす もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
多様化が進んで少数派が認められ、みんなが自分らしく生きて行ける世の中でありますように。この作品を観てそう願います。
予告を観てから気になっていた作品です。
自分は他の人とは違う。 …その自覚を持ちながら
生きている女性を描いたドラマ。
興味がわいて鑑賞です。
ヒロイン蘇畑佳純(=三浦透子)は30才。 独身。
妹は結婚しており現在妊娠中。
父はどうやらメンタル不調で休職中。
このヒロイン、独身でいるのには理由がある。
"他人に対して恋愛感情を持てない" のだ。
友人ならば 欲しい。
恋人は… 要らない。
同居家族がもう一人。 母だ。
結婚しようとしない長女に業を煮やし
無断でお見合いの席を設け誘い出す。 これは…。
お見合いの当日。思いがけず、
相手の男性にも結婚願望が無いことを知る。
意気投合する二人。
二人で美味しいラーメンを食べ歩くようになるうちに
男の心境に変化が起きていた。 …あーらら。
「結婚願望が無く 恋愛に興味が無い」
これまでも そしてこれからも それが佳純
これまでは けどこれからは… と変化した男
男は佳純に好きだと伝え
佳純は狼狽し、無理な事を伝える …すれ違う二人。
どちらかが悪い …そんな訳は無い
けれども 佳純は
やっと見つけた(と、思った)友人を失う。 う~ん。
その後
昔の友人(男)の紹介で保育士の仕事を始める。
子供向けにビデオ紙芝居を作ることになり
「シンデレラ」の話にうよう と決めるのだが…
昔の友人(女)と話をするうちに話が転がる。
従来のシンデレラは 「男目線のお話」 だわ。
「自分が書きたいシンデレラ」 を作ろう。 (…おーい;)
それを子供たちの前で発表するのだが…
ぽかん とした子供たち。
何これ? な表情の大人たち。
不穏な空気に、思わず再生を中止してしまう。
そして…。
◇
自分への理解と無理解。
「ふつう」を押しつけられることからの逃避。
理解を求める事の難しさ。
マイノリティという呼称で一括りにしないで と
そんな声が聞こえてくるような気がしました。
”一人一人 みんな違うんだよ
私のことを 良く見て欲しい”
そんな心の奥にある想いが
この作品を観た人に届けばいいな
そんな風に思える作品でした。
三浦透子の演技が素晴らしいと感じる
沁みる作品でした。
観て良かった。
◇あれこれ
■「そばかす」で頭に浮かんだもの
「赤毛のアン」
主人公アン=シャーリーは赤毛でそばかすの女の子。
永遠の名作です。
「るろうに剣心」
JUDY AND MARYの歌う主題歌のタイトル。
作品イメージとのギャップにびっくり @_@; でした。
「キャンディ・キャンディ」
堀江美都子さんの歌う主題歌は
そばかすなんて気にしないわ♪ で始まります。
少女漫画の名作。
■三浦透子さん
これまでの出演作品をほとんど観ていないのですが(…汗)
すごく個性を感じる役者さん と今回感じました。
「女性」の中に「少年的な一面」が同居しているような感じ
…とでも言えのやら
少なくとも、この作品の主人公には適役だったのでは
そんな気がします。
◇最後に
長年一緒に暮らした姉妹の間でも。
姉が同性の知人と暮らし始めると聞いた妹の
「お姉ちゃんレズビアンなんでしょ!」
「 (…違うっ) 」
これ聞いて、力抜けただろうなぁ…
人が人を理解するのは、とても難しい。
でも最後の場面にて
「(新解釈)シンデレラ」 の理解者
一人居ましたね。 良かった良かった。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
レビューしてないですが
パラサイト半地下の家族の少し前から韓国の映画に興味を持ち始めました。最近観た、パーフェクトドライバー、パラサイト半地下に出演していた女優さんがドライバーの役でスリル満点でした。また、気軽にコメントくださいませ★