「真デレラの続きが気になる」そばかす uzさんの映画レビュー(感想・評価)
真デレラの続きが気になる
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あえて言う。特別な話ではなかった。
悩みの中身は違っても、『普通』とのズレに戸惑い、苦しんでいる人は沢山いる。
佳純が出会う人たちは、家族含めて“理解”どころか“共感”もしていない。
ゲイを告白した八代や、よい友人関係を築けた真帆ですら、“受容”しているにすぎない。
そんな中で最後に出てくる天藤だけが唯一の共感者であり、それが佳純を軽くした。
そのあたりの描き方が明瞭なのがよかったし、家族の食卓でそれ以外の救いや支えも示してくれる。
『少数派』ではあっても『異常』ではない。
共感した天藤だけが“正しさ”ではないという描き方が好ましかった。
本作は演技の立体感が素晴らしく、特に家族間の会話は「長年の積み重ね」を感じる自然さでした。
全員に、それまでの人生が垣間見えるよう。
時折挟まれる笑いのセンスもよく、特に浮気の話をしてる最中に聞こえるTVの音声は、音量も込みで絶妙でした。
それまでの自然さに対して、ラストカットにやたら演出臭さを感じたのだけが少し残念。
個人的にはもっとナチュラルに締めてほしかった。
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