「ぐさりと来る、甘く苦々しい思い出」渇きと偽り Yukさんの映画レビュー(感想・評価)
ぐさりと来る、甘く苦々しい思い出
誰にでもある青年期の淡く甘く苦い思い出を思い起こさせつつ、20年を経た2つの事件。干ばつに渇き切ったオーストラリアの田舎町。
結末を知りたくて引き込まれる。最後には(良い意味で)王道ミステリー小説風な仕掛けが待ち構えている。2つの事件はそれぞれ予想出来なかったかたちで真相が明かされる。
ブラックホークダウン、ミュンヘンのエリック・バナが、捜査官として町を訪れる。実は20年前に事件の容疑をかけられ父親と町を出た、悲しく苦々しい思い出を抱えた、複雑な心情が漂い、これがこの映画のベースになっている。若い頃に背負った悲しい出来事を引きずる苦しみは、20代にはなかなか分からないかもしれない。これを実感出来る人にはぐさりと来る、大人向けの映画である。
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