「と見せかけて×2」渇きと偽り ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
と見せかけて×2
都会(メルボルン)で連邦警察官として働く主人公が、高校時代の旧友が赤ん坊を残し心中したという訃報を受け葬儀出席のため20(30?)年ぶりに帰郷した。旧友は妻と小学生の息子を殺して自殺したと見られたが、地元に残って若い警察官と共に捜査をする。高校時代の思い出が次々蘇り、当時の川や湖は乾燥で完全に干上がっていたが、その記憶の中に当時のガールフレンドエリーの川での死亡事故もあった。何よりエリーの持っていたメモから彼女の遺族は今でも彼を容疑者と疑い、暴力や中傷を繰り返すのだった。主人公は今回の事件と20年前の事件が無関係ではないのではないかと調べるが…。
意外にも、主人公に好意的だった移住者の1人である小学校校長の経済的困窮を発端とした殺人だった。
→(あれ?2つの事件は関係ないんかーい。なんやしょーもない理由やなあ。じゃあエリーはなんで死んだんや?)→
乾燥地帯で灯油を撒いて焼身自殺をしようとした犯人を警察官と2人で止め、町が全焼するのを防ぎ、彼は住民達が彼に抱いていた疑惑を晴らした。
町を去る前にエリーが亡くなった川に弔いに行くと、岩間に当時のエリーのリュックを見つけ、その中の彼女の日記に父親から性的虐待を受けていたこと、母親はそれで逃げ出したことが綴られていた。
その後、この父親の罪を追及するのかは不明のまま終わる。
オーストラリアが抱える社会問題を描いた、というのは少し齟齬があり、温暖化で雨が降らず乾燥に悩まされているというのは土地柄だとしても、閉塞的で排他的な田舎社会はオーストラリアに限ったことでもない。
それでも派手さのない演出は観客を惹きつけるものがあったと思う。
主人公エリック・バナと彼の高校時代の俳優が似ていなさすぎて最初区別つかず。エリック・バナはリーアム・ニーソンに似てきたなぁ。相手役の女優さんはナオミ・ワッツに少し似ていて、あれがオーストラリア顔なのか?と思う。