「間に合えばもう一度観る!」ナショナル・シアター・ライブ「プライマ・フェイシィ」 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
間に合えばもう一度観る!
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ああ、凄かった……。
関わった全ての人に拍手を送りたい。
そしてジョディ・カマーに。
なんだあの早口と瞬時に変わるキャラクター。
一人で何役やってんだ。
本当にすごい。
演技で喜怒哀楽、全てをくれた感じ。
彼女がボロボロに体現することでしか、
わたしたちに刻まれない何かがあると思わせる。
最後に、なぜ一人芝居だったのかが
よくわかる。
ストーリー展開も凄い。
タクシーの並びの話や、
3人に1人といった話が、
後になって効いてくる。
最初から最後まで見逃したく無い。
見逃せない。
そもそもは裁判上の真実にしか目を向けず、
むしろ真実など見ない方がいい
知らない方がいいと、
キャリアアップに励んできた彼女が
被害者の立場になり、ようやく理解する。
その様はわたしたちとまるで重なり、
実際に体験はしなくとも、
この様々な箇所に散らばる悪の怖さを
思い知るのだ。
最後、彼女は立ち向かった事実を
表明する。
彼女は戦ったのだ。
負けたとて、立ち向かったのだ。
それでも、これだけしても、
何も分からずに帰る人が居るんだろうな。
ちょっと怖かったのが、
これ真ん中あたりで彼女が被害を受けて、
ガラッと劇の雰囲気が変わるのだけど、
前半部分でもじわじわと危険な感じはあって、
特に彼女が弁護士として証人を詰めるところなんかは
この思想、問題あるでしょ…とか感じるんだけど、
でも上手くジョークを紛れ込ませてるから
あまり深刻じゃないように見える。
あれ、これって笑っていいのかなっていう。
そんなシーンでもNTLだと観客の声も入るので、
笑い声がバンバン聞こえる。
特に、男性の。
それが何とも言えない怖さだったのよね。
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