「もうちょっとドロドロでも良かったかも!!」ひみつのなっちゃん。 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
もうちょっとドロドロでも良かったかも!!
ドラァグクィーンのロードムービー。
意外とアクが強くなくて上品にまとめてました。
役者の個性が引き立っている。
バージンさん(滝藤賢一・・・気品が匂い立つ)
ズブ子(前野朋哉=芸達者=嫌味がなくて好き)
モリリン(渡辺秀・・・ダンス・シーンで目を見張りました)
渡辺秀さんはお初でした。
ダンスいつ習得したんでしょうか?
メッチャ器用なんですかねー。驚きました。
ズブ子は前野さん、以前からバイプレーヤーで強烈に印象的ですが、
今回の役は、やり過ぎない、くどく無い、そして可愛い!!
バーのママのなっちゃんが急死した。
秘密主義で、オネエなのをひた隠しにしていた。
その気持ちを汲んだオネエ友の3人、
バージン、モリリン、ズブ子が
なっちゃんの故郷の郡上八幡(ぐじょうはちまん=岐阜県)まで、
レンタカーで旅するロードムービーなのです。
故人になった“なっちゃん“
なんとカンニング竹山さんでした。
このキャスティング!!
ビックリ仰天!!
これだけで映画は成功したようなものです。
オカマ3人の道中、ちょっと良い男を見ると、
目がらんらん!!
ズブ子の不機嫌も、イケ面店員さんの言葉で直ぐにご機嫌モード。
この映画のほんわかムードに貢献したのは、なっちゃんのお母さん役、
松原智恵子さんでしょうね。
松原さんは78歳。
日活時代の清純派のまま。
歩き方の美しいこと。背筋がピーんと伸びてます。
ムツクケキ息子がいつの間にか、オネエになってたのを
知るか?知らぬか?
ラストの心配りが母の愛・・・なのでしょうね!!
お葬式のシーンは出色でした。
バージン、モリリン、ズブ子のブラックスーツ・・・
カツコ良かったなぁ!!
エンディング曲の“渋谷すばる“の歌う「ないしょダンス」
作詞作曲も渋谷すばる。
歌詞も曲もガンガン攻めてましたねー!!
それにしてもバージンさんが綺麗に女装して、踊るところを、
見たかったなぁ・・・ないしょダンスだもんねー、
(仕方ないね)
地方での生きづらさから脱出して都会に来て初めて解放された(それも完全でないけれど)と若い男性が言っていた言葉が忘れられないので。だからもっとドロドロがあった方がよかったかもしれないと私も思いました。