「アゲハ蝶の幼虫がオレンジ色のツノを出すときの匂いのように黒木華が一瞬放つ色香」映画 イチケイのカラス カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
アゲハ蝶の幼虫がオレンジ色のツノを出すときの匂いのように黒木華が一瞬放つ色香
この法廷ドラマは面白い。異なる事件の合議制裁判や職権発動のコメディタッチな展開にワクワクする。
キャストも魅力的で、2回に跨がる連続の話もあったので、劇場版になっても裏切られないだろうと思った。
瀬戸内海に面する岡山県の架空の町、日尾美が舞台。自衛隊のイージス艦とタンカーみたいな運搬船の海難事故とひとりのばあちゃんのゴールド免許取消が懸かる民事裁判に始まり、大部分の住人の生活を支える地元の大企業の環境汚染疑惑がからむスケールの大きい話だった。みちおは地元の漁師の船に釣り客のふりをして情報を得るが、残念なことに、実釣シーンはなかった。ヒラメは瀬戸内海には少ない気がする。これじゃ釣っても食べられないよね。残念である。防衛大臣役の向井理、イケメン弁護士役の斉藤工、医師役の吉田羊らがゲスト出演。
しかし、私がここで言いたいのは、テレビドラマではみちおに振り回されながらも、みちおに片思いのうぶな坂間千鶴が、映画では斉藤工と自転車の二人乗りのあとに一瞬発した色気である。
黒木華も32才になった。
もう、岩井俊二監督のリップバンウィンクルの花嫁の時とはあきらかに違うのだ。
もう、○○○を隠せないのである。
このドラマでのもうひとつのお楽しみは黒木華のシックなスーツ姿であると私は考えている。タイトなスラックスがムッチリとした腰回りにまとわりつく感じがたまらないのである。
今回の映画は野球のユニフォーム姿の特典もついてきて、ものすごくお徳である。
斉藤工はただのやさぐれ弁護士で終わってしまうのか?斉藤工は中途半端なんたよな~と思っていたら、最後のほうで、入間に渡す二枚の写真の意味を映像化する幼なじみ達の場面でぐっと来て、泣きそうになった。斉藤工の長所のひとつは共演女優の女の仕草を自然に引き出させるところかもしれないと私は考えている。斉藤工がやりたい映画とは違うかもしれないけど。
運搬船の模型はうんとちゃちかった。
来月タイタニックの3D見るからいいけど。