「法廷劇ではなく、コメディタッチの裁判官モノ」映画 イチケイのカラス ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)
法廷劇ではなく、コメディタッチの裁判官モノ
予告編の時点で、コメディタッチなのは分かりましたので、リアルは求めず黒木華さん目当てで鑑賞。
型破りな裁判官は、コメディなのでOKです。ドラマは観てなくても、裁判長の入間が毎回職権を発動して自分で調査しちゃう話だなと分かります。竹野内豊さんは良い感じでした。
入間vs坂間は私的には面白かったですが、演出はちょっと古臭いかも。コメディシーンがくどいんです。黒木さんと斎藤工さんの「そんなに見つめないでください」とか、柄本時生さんの「何で、何で、何で」とか、しつこくやると面白くないです。
内容は、重いテーマの割に筋が通ってない、というより、無理やり重くしましたね。それについて納得できる裏付けがありません。
・最初、猛毒のガスか深刻な食中毒かと思ったのに、汚染土が少し漏れただけ。それで全員が意識混濁するなら、おむすびころりん事件の時や、そもそも工場内で容器に詰める時に被害が出るでしょう。
・汚染土を入れ替えるなら、近くの無人島の土だと思いますが、掘削や埋め立てをする業者の存在が謎。
・貨物船が近くの無人島に行く途中にイージス艦に衝突する事ってありますか。
・有害物質で健康被害が出ているのに工場の恩恵に頼らざるを得ない小さな町。でもこういう場合、賛成派と反対派に分かれると思います。農業・漁業関係者が気付かない程度の問題なんですか。
・小さい町といっても、あの工場はかなりの規模で、グループ企業の系列会社になると思いますが、そこに社長その他重役が居ないのは不思議です。
・坂間さんが汚染の証拠を探している間、入間さんは釣り三昧。この手のドラマでは遊んでいると見せかけて、実はヒラメの体内に蓄積されている有害物質を調べたり、無人島の土壌を検査していた、と明かされて、やっぱり切れ者だった!という展開なのに、釣り人と仲良くなって色々な話が聞けただけなんですか。
坂間さん可哀そう。がんばって下さい。
もしかして、女優の体型についての考察の案件の方ですか。
私は日本の女優やアイドルが瘦せすぎていると思ってまして、そりゃ素敵なんですけどね。こうも細い人ばかりだと、それが標準になってしまって若い子が痩せなきゃいけないと強迫観念に駆られるから心配してます。アイドルなんか特に体に負担がかかっているでしょう。
それと、若くてほっそりした女性を有難がるのって、結局女性に幼さや未熟さを求めているように感じます。日本と同様女性の地位が低い韓国のアイドルも細いです。極論かもしれませんが女性蔑視に繋がっているような気がします。
本作の黒木さんの滲み出る色気、良かったです。
流石。いつもながら鋭い指摘ですね。
作品には、作品の粗密があります。
作品によって粗密は異なりますので、我々観客も鑑賞の粗密を選択する必要があると思います。
粗の作品に密を求めても、密の作品に租を求めても、アンマッチです。
鑑賞の塩梅があると思います。
では、また共感作で。
ー以上ー