「またこのパターン」映画 イチケイのカラス U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
またこのパターン
どうにも、ワンパターン。
TVシリーズがあった事も知らない。
骨組が何かと似てる。
全然違う題材で、全然違うキャストで、全然違う物語なのに、フジ系の作品群でよく見かける。
どうにもこのパターンに味をしめてるようで…胃もたれを感じる。
役者陣にもその諦めはあるかのようで…皆さま達者だからこそ、悪い意味で誤魔化せてしまえてるいるようだった。
まぁ、とにかくよく喋る。
全部。
あらゆる事を台詞で説明しようとする。
タンカーの内部が汚染されていたかもしれない事を裁判官が喋りだした時には、さすがに開いた口が塞がらない。いや、あんた…それこそ憶測だよね?しかも、それを証明するとまで言っちゃったよね。
揺るぎない証拠もないのに何を断言しとるんだ、キサマは。世の中の裁判官を侮辱する気か?
もう空っぽすぎてついていけない。
吉田さんが心情を吐露した時も、なんか感動を促すようなBGMがかかる。
傍聴席では鼻をすする声。脇役達も泣きの芝居をしてる。
いや、なんで?
悔しいんじゃないの?吉田さん的には。
そもそも感動できる話ではないだろう?汚染物質を垂れ流してるわけだから。言うなれば、水俣病を被害者達が容認し隠蔽してるってって事だろう?
超大手の車の工場がある地域にも同じような問題が起こってるのだろうか?それを糾弾する狼煙だとするなら見上げたジャーナリズムだとは思うが…。
それはそれとして、そんな内容の話を無理やり感動的に変換しようと取り繕ってみても無理だよ。
こっちの頭には「???」しか浮かばないわ。
主人公の裁判官が初公判で着席し、顔を上げた次のカットが吉田さんとか…これまた盛大に「???」だわ。
なんか接点あった?ただの町医者だろ?多少は綺麗だと思うが…これから裁判しますって時に、裁判官の目に留まるのが町医者なのはなんでだ?
まぁ、その後の展開でああいう告白をするからなのだけど、全く無用なサービスカットだと思う。
冒頭のタンカーにしたって、てっきり帰路だと思ってたら、どうやら積荷はまだ積んでいたようで…て事は往路になるわけで。だったら、船首を奥手にしとかんかいって思うのだけど、この辺りも腑に落ちず。どうにも物語の核の部分がおざなりなような気がするのだ。
運搬する間、その速攻性のある有害物質は撒き散らかされてたわけなのだろ?
大桃すってんころりん事件とかで済むような話でもないように思うんだが…。そもそもそんな物の処理費用は企業が絡んでないと捻出もできなかないか?
なぜ、企業は無関係って立ち位置にしたのだ?
スポンサーへの忖度か?
小雨が降ってるのに黒木さんの服も、斎藤さんの顔も黒木さんの顔にも一滴の雨もかかってないとか、なめてんのか?黒木さんとかグレーっぽい服着てたから濡れたら凄く目立つように思うんだけど、全く目立たないし。
もうちょっと面白くできそうな題材なのだけどヘボすぎるわ…。
黒木さんだけ抜群に良かった。
とある俳優さんなんかは、どうせやりたい事をやらしてもらえないからって、消化試合のような感じにも見えた。
冒頭とラストが雨に濡れた自転車。
…はぁ!?