劇場公開日 2022年9月23日

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「瞑想で解き放たれた者ども」ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0瞑想で解き放たれた者ども

2022年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

単純

寝られる

端的に言うと、ザ・ビートルズとインドで偶然遭遇した人物サイドからの「ホワイト・アルバム」制作秘話といったところ。「ザ・コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロー・ビル」のモデルへのインタビューや「ディア・プルーデンス」誕生の経緯など、ファンなら間違いなく興味深いエピソードが語られる。
自分はビートルズの曲はよく聴くが、熱狂的ファンとはいえない。それでも「ホワイト・アルバム」の制作時に4人に確執が生じてしまった事は知っている。これが後々尾を引き、結果的に解散につながっていくわけだが、少なくともインド滞在時の4人は、“瞑想”という共通項でつながり、安息を得ていたのは事実だったのだろう。関係者やスタッフでもない部外者の青年視点ゆえに、もしかしたら彼が見ていないところで4人の確執の火種は既に着火していたのかもしれない。それでもインドという地で名曲が生まれたのも、これまた事実なのだ。
観ていて引っかかったのは、「バンガロー・ビル」「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」など、アルバム収録ナンバーにまつわるエピソードに触れておきながら、曲そのものが全く流れない点。使用料が高額だったのか使用許可が下りなかったのか理由は不明だが、さすがに画竜点睛を欠いた感は否めない。
ただ特筆すべきは、製作総指揮のデヴィッド・リンチのインタビュー。自宅に瞑想部屋を構えていると云われるだけあって、こと瞑想に関して饒舌になるのが個人的には一番面白かった。「アイデアとは管を通って出てくるが、その管が詰まるとアイデアも出なくなる。でも瞑想がそれを解き放ってくれる」…こんな言葉、リンチにしか吐けない。

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