ブリティッシュ・ロック誕生の地下室のレビュー・感想・評価
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"ブリティッシュ・ブルーズの父"
ブルースやロカビリーといった古き良きアメリカの偉大なる音楽が時代と共に廃れた時、必ず手を差し伸べて招き入れるイギリスからブリティッシュ・インヴェイジョンとして世界を席巻する様、その後はスカやロックステディ、レゲエに流れてイギリスではスキンヘッドレゲエや2トーンなど素晴らしき音楽大国、その地盤を造ったようなアレクシス・コーナーとシリル・デイヴィスの人物像が興味深い。
当時のイーリング・クラブで演奏をする映像が無いに等しいので携わった人物のインタビューやアニメで再現した映像で雰囲気を掴むのみ、名だたるミュージシャンやバンドが登場する中でThe BeatlesやThe Yardbirdsとの関わりが気になる!?
歳取ってるから尚更に誰が誰なんだか混乱してしまいながら字幕を追うのが大変だったり、インタビュー映像が多めで音楽が鳴っている印象が微妙にも。
こんなところにニック・シンパー
クリーム、アニマルズ、ストーンズ、マンフレッド・マン結成前のカオスな前日譚。ロンドン西地区イーリングでの1960年代初期のブリティッシュ・ブルースの歴史。
マーシャルの歴史にもビックリ。最初は町の小さな楽器店だったとは!ミッチ・ミッチェルが結露が天井から垂れてきてドラムヘッドが濡れるとミュートされちゃうんだよと楽しそうに懐かしむ。ミッチ・ミッチェルはマーシャルのドラムスクールの講師をしていた。
ロン・ウッドの兄貴のアート・ウッドがイーリング美術学校時代から出入りしていた小さなハコ。アレクシス・コーナーがエレクトリック・ブルースをここで始めるに際してイーリングクラブをアートが薦めた。
ジメジメした地下の狭まいハコだった当時のイーリングクラブの熱気を語るミュージシャンたち。
イギリスのブルースの父といわれるアレクシス・コーナーとハープのシリル・デイビスがコアとなったブルース・イン・コーポレイテッドやグラハムボンド・オーガニゼーションに在籍していたミュージシャンたちが中心。
ジンジャー・ベイカーは相変わらず態度悪くてサングラスしてふんぞり返ってボス気取り。チャーリー・ワッツがいないときのストーンズとセッションして、ミックが歌いにくいようにわざとずらしてやったと言ってましたね。ジンジャー・ベイカーのリズムはそれでなくても独特なのに。ジャック・ブルースはこの変わり者のオジサンとよくやってましたよねぇ。しかし、つい最近亡くなったチャーリー・ワッツのインタビューはなぜかなかった。
ミック・ジャガーやキース・リチャードのインタビューもなかった。イーリングクラブでステージに最初に上がっていたのはブライアン・ジョーンズで、ポール・ジョーンズがあのときブライアンの申し出を断らなければストーンズのボーカルだったかもと嬉しそうに話していた。
インタビューにはニックシンパーも度々登場。顔色も良く元気そう。第1期ディープパープル。たしか、リッチーブラックモアにタバコを買ってこいと言われて、外している隙にクビが決まったんだっけ。
マディ・ウォーターズの映像はカラーで迫力あったけど、だいぶ後のもの。それと、シスター・ロゼッタ・サープの映像も。1963年のマディー・ウォーターズのヨーロッパ講演に同行した彼女もエレキギター抱えてブルースを歌う先駆者。映画エルビスで少年プレスリーに最も影響を与えたアーティストとして描かれていた彼女。ロンドン公演の際にイーリングクラブにシリル・デイビスが彼らを招いた。
アメリカのブルースマンを本場アメリカに逆輸入したイギリスのロックミュージシャンたち。一番有名なのはハウリン・ウルフとのライブ版も出しているクラプトンですが、ジャック・ブルースはアレクシス・コーナーのまな弟子。フリー、バットカンパニーのヴォーカリスト、ポール・ロジャースなんかもマディー・ウォーターズを崇拝しているひとりだが、アレクシス・コーナーがフリーの名付け親でデビューを後押ししたことはほとんど知られていない。
シリル・デイビスがマディ・ウォーターズのハープに誘われたってジャック・ブルースが言っていた。
呑んだくれで喧嘩っぱやいリトル・ウォーターが使い物にならなくなっていた頃なんでしょうね。
ジャック・ブルースは痩せて元気なかったなぁ。亡くなる直前?
ジャック・ブルースが死んだときは悲しかった。もうそろそろ10年か。
ジンジャー・ベイカーも3年前のジョーカーの上映中に亡くなったから、このインタビュー映像は10年以上前のもので、かなりの継ぎハギ感。
当時のオーナーだった金ピカ親父はなんとイラン人。かなり悪そうで、一番元気そう。狭いハコはモッズムーブメントに対応できなくなり、その後もこじんまりと営業していたけれども12年で手放したそうです。
当時のイーリングクラブでの若い彼らの演奏の音源やライブ映像がないのが非常に残念。
ブリティッシュ・ロックの歴史がわかる作品
ローリング・ストーンズが好きなので、彼らが有名になる前の様子を知りたいと思い観ました。当時のイギリスの時代背景や、どのようにしてロックが生まれ、熱狂的な支持を得たのかを知ることが出来ました。
マーシャルアンプが発売され、エレキギターの爆音を初めて聴いた若者がどれだけ興奮したか、何となく分かる気がします。当時はどんな下手なバンドでも大人気で女性にモテモテだったと聞き、羨ましくなりました(笑)。
色んなアーティストや関係者のインタビューで構成されていますが、肝心のミック・ジャガーのインタビューがないのは非常に残念でした。
また当時のライブ映像も多少ありますが、この映画のテーマである地下室でのものが無いのも残念でした。現在と違い動画を撮るのが難しかったから、仕方ないのかも知れませんが。
イギリスのロックが好きな方にはお勧めです。
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