「愛とエゴは表裏一体」エゴイスト momoさんの映画レビュー(感想・評価)
愛とエゴは表裏一体
エゴイスト、そのタイトルがついた意味を鑑賞後考え続けている。
恋人が死んだ後もそのお母さんの世話を焼くなど、なかなかできることではないのだ。
享受する側が、息子も私も愛してくれてありがとうと、思うのであればそれは愛だと思うのだが、与えている側が愛だと思っていない。愛が分からないのだ。
あくまでも自分のエゴとしての行動であると自覚しているから、与えても与えてもごめんなさいと謝るのだ。
なるほどなあ。やられたな。
愛もエゴも表裏一体なんだ。
好きな人の誕生日にプレゼントをあげることを想像してみてほしい。
多分、予算を告げてなんでも好きな物買っていいよとお店に連れて行って買ってあげれば間違いなくその相手は喜んではくれるだろう。
でも相手には何も聞かず、自分がその人に似合うだろう、その人が思いついてもいないけど絶対使えば便利だろうといったものをプレゼントしたくなるし、サプライズであげたくなる、それがエゴなんだと思う。
どちらも同じ金額だとしたら、一体どちらが自分にとって満足なんだろう。
実は人に自分のプレゼントしたいものを与えることもエゴイストな行為なんだないと思い至る。
車に乗ってドライブに行かせてあげたかった。
そんなシーンはこの映画のどこにもないのに、宮沢氷魚のみずみずしさ、鈴木亮平の七変化な演技力生々しいラブシーンを前半でみていることで、あたかも二人があの軽自動車で海へドライブしたシーンが目に浮かぶのだ。
見てもいないのにね。
そんな不思議な突き刺さる作品であったのは間違いない。