劇場公開日 2024年1月26日

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「酷い差別とイジメに耐え、アイヌの伝統文化を文字で残した」カムイのうた りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5酷い差別とイジメに耐え、アイヌの伝統文化を文字で残した

2024年3月10日
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鑑賞方法:映画館

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知的

大正6年、北里テルはアイヌで初めて女子職業学校に入学したが、差別といじめに遭い、学業優秀で副級長だったのに級友に選挙で落とされ辞めさせられた。そんな時、アイヌ語研究の第一人者である東京の兼田教授が、テルの叔母イヌイェマツのもとへアイヌの叙事詩ユーカラを研究に来た。テルは教授からノートを送ってもらいユーカラをローマ字で書き写し、日本語訳にする事を勧められ、実践してそれを教授に送っていた。その素晴らしさに感動した教授はテルを東京に呼び、本格的に活動することになった。そして・・・という実話に基づく話。

アイヌ民族が文字の無い中、口頭で伝承してきたユーカラをアイヌ神謡集として日本語訳した実在の知里幸恵の人生を描いた作品との事。
当時、アイヌは人と犬の混血とか訳のわからない事を言われ差別されてきた様子が随所に見え、悲しくなった。
殴られ、服に石を詰めて川で死体となって発見された妹のように可愛がってた女の子が理不尽に殺されたシーンは涙が出た。
そんな差別を受け、和人に親族が酷い目に遭ってきた中で、努力して勉強し、ローマ字と日本語訳でアイヌの伝統文化を残したテルに感激した。
19歳で心臓の病により短い一生を終えたのは凄く残念だった。
知里幸恵の本を読んでみようと思った。
テル役の吉田美月喜が自然な感じで素晴らしかった。叔母イヌイェマツ役の島田歌穂は歌も上手くて演技も素晴らしかった。

りあの