「コトーが「孤島」とも「五島」からのネーミングとも、何にも知らなかった!!」Dr.コトー診療所 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
コトーが「孤島」とも「五島」からのネーミングとも、何にも知らなかった!!
やはりTVドラマを最初から観てる人と、ドラマを観てない人の・・・
その温度差の違い、
ドラマを初期(2003年)から観てれば、
5倍イエ10倍は感動できる・・・そんな思いが強かったです。
たとえばコトーの妻の彩佳さん・・・
「抗がん治療のホルモン療法をやめて・・・」
えっ?なに?
「そして妊娠、不安はある」
(そこでWikipediaの記述を読む訳です)
彩香さんの乳ガンの手術をコトー先生は行ったそうです。
そのあたりの経緯を観てる人と、観てない人(私)の差を縮めるのは
正直言って、難しいです。
ハント(判斗)先生=演じるはギョロ目の高橋海斗。
判斗の言うことは正論で、いちいち納得できるのです。
「俺にはコトー先生のように島民の信頼を得ることが出来ない・・
・・そう思う」
「俺はコトー先生のような一人でオールマイティな力量がない」
「トリアージだよ!!優先順位は若い方!!」
そうだよ。その通り!!
またまたWikipedia先生に助けて貰うのですが・・・
「Dr.コトー診療所」の五島健助(吉岡秀隆)の実在するモデル、
瀬戸上健二郎さんのページを読むと深く納得するのです。
瀬戸上さんは鹿児島の離島で38年間医師として離島医療を支えた人で、
専門は胸部外科で、実際に離島の診療所で、
肺がんの手術を成功させている人で、
外科の他に、内科、産婦人科、精神科そして獣医も兼ねていたそうです。
だから赤ちゃんの出産も可能だし、
過去にコトーが施術した彩佳の乳ガン手術も絵空事ではない・・
このシーンを観てない私に、
コトーと彩佳が授かった赤ちゃんへの特別な想いを
汲み取るのは無理があるのです。
だから五島健助医師は【スーパードクター】俗に言う【神の手】の、
持ち主らしいのです。
らしい・・・としか言えない自分がもどかしいです。
骨折の処置をこなしお怪我した患者に輸血しながら手術する。
そして胸部心臓カテーテルを処置してしまうのも、
(疑問の目で見てしまってましたが、)
五島健助(瀬戸上健二郎さん)には可能なのです。
そして原作者の山田貴俊さんは命を削って、病を押して書き上げていた
ヒューマンドラマの傑作。
今回の映画で今回のみ俳優に復帰したタケトシ役の冨岡凉。
彼こそ本来は瀬戸上さんや五島健助の後継を担う筈の人。
(過疎の島一番の秀才・・・希望の灯火だったが・・)
判斗が、帰ってきたタケトシを迎える島民の大袈裟なセレモニーに、
「この島で医者になるって、こんなに祝うことなんだ!!」
と、呆れ顔をしているけれど、
タケトシが成績不良で中退しちゃうのが現実的でとてもリアルです。
【五島健助=スーパードクター】は唯一無二の人。
2人はいないのもリアル。
本当に後継者に育って欲しかった。
半斗にも荷が重い、
タケトシは医学部中退・・・
【ラスト】
賛否が分かれると思います。
過疎の問題、少子高齢化、離島医療の財政難、
(どれもこれも何一つ解決しない・・・)
(コトー先生のような情熱を持つ特別な人は滅多にはいない・・・)
《けれど、過疎地の医療を担う人材は育成しなければならない》
ラストは私には盛り上がりに欠け、ファンタジーに逃げたように思える。
しかしこの映画、
中江監督と吉田紀子の脚本に【嘘】は何ひとつない。
これは誇って良いと思います。
吉岡秀隆さんは阿川佐和子との対談で冗談めかして言ってました。
「俺はDr.コトーの映画をやる、スケジュールを開けておけ」
中江監督に会って飲むたびに言われる。
「それで、2ヶ月開けて待ちました・・・」
「翌年もスケジュール開けました」
そんなことが何年もあって到頭映画は始動して今回完成したのです。
映画完成記念の対談で吉岡秀隆さんは実に嬉しそうでした。
ドラマのスタートから16年後の劇場版「Dr.コトー診療所」
完成して本当に良かったですね。
中江功監督そして吉岡秀隆さんはじめ、オリジナルメンバーの悲願でしたね。
出演者に殆ど亡くなった方がいないのも、素晴らしいです。
そして冨岡涼さんの今回だけの俳優復帰、
(コトー先生の患者第一号!!)
たまにしか働かない時任三郎さん、
私には確認できなかった堺雅人さん、
16年ぶりでもなんら変わらず美しい柴咲コウさん、
すっかり白髪の吉岡さん、
映画は大成功ですね。
中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」を聴きつつ、
そう思いました。
追記2023年7月26日
それにしても、ラスト、このラストは勿体ない。
白血病の治療を沖縄本土で終え、無事元気になって帰ってくるコトー先生。
その先生を島民の皆が笑顔で出迎えるフィナーレ・・・
そうだったらどんなに良かったでしょう!!
TVシリーズの続編だとか総集編だとか、最近気になってTverもあるおかげでテレビドラマをよく見ています・・・しかし、映画館に全く行ってない!!?
次は『ミステリーという勿れ』ですかね・・・
返信 心からのお気遣いありがとうございました。直近に医療現場まざまざと見せつけられた身からすると、近代医療は
主任医師・医師 看護師 介護士 掃除する方 栄養士 事務員 の6つが一体化して成立する模様で、指揮者はあくまでもドクター🧑⚕️ですが【いい意味でも悪い意味でも】。
太平洋戦争の最前線、野戦病院なら手塚治虫のブラック・ジャックのドクターキリコはあり得たと思いますが、たかだか一過性の台風で🌀コレはあり得ないですね。ビックリ‼️でした。 同時に 現代病院のヒエラルキーというか組織性もビックリ‼️でした。責任が細分化されて無責任状態。ある意味感心。イイ勉強になりました。長文すみません🙇。またよろしくお願いいたします🥺。
私、退院したばかりですが、実際は看護師、介護士 に頼って 楽して大して処置しない医者ばかりでした。
医者🟰クズ と思いました。こんな素晴らしいドクターは日本には1人も存在しないと思いました。