「剛洋くん、、、」Dr.コトー診療所 Yuuさんの映画レビュー(感想・評価)
剛洋くん、、、
とにかく映画化が決まってから楽しみで楽しみで、、、期待が大きすぎたのかもしれません。
映画全体の感想は、概ね、他の方々と同じ意見ですが、私は特に、剛洋くんの映画での扱い方が、とても残念でした。
彼はコトー先生に憧れて、コトー先生の自転車の後ろに乗って一緒に往診して、剛利さんに壮絶な苦労をかけ、島中の期待を一身に背負って医者を目指した青年です。いわば、このドラマ、そして映画の希望であり、離島医療をこれから担っていく大きな未来という存在なのに、なぜ医学部中退という形で登場するのか、ものすごくがっかりしました。つまり医師免許を持っていない、ということはこの映画で彼の見せ場が限られてしまう、ということ。
案の定、これほどの希望の塊だった剛洋が、医者になってなかった、という現実は島民だけじゃなく、病に侵されたコトー先生を絶望させます。「剛洋くんが医者になってくれてれば」と泣くシーンのコトー先生はホントに可哀想だった。
彼がとりあえず医学部を卒業して医師免許を取得していて、何らかの理由(例えば患者さんを助けられなくて自信をなくしてるとか)で医師として働いてない、という状況なら、コトー先生が病気になってもなお、島民のために懸命に医療を続ける姿を見て、ハント先生と一緒に立ち上がる、それを剛利さんが感無量の表情で見つめる。。。そういうシーンを見たかった!最後、彼が白衣を着てる、その1シーンだけで涙が込み上げました。せっかく富岡涼くんが、今俳優ではないのに、復帰してくれて、少しふっくらしてたけど、小さい頃の優しい面影がしっかりかんじられて、いい演技をしてくれてたんだから、彼とハント先生にこれからの希望をしっかり映画の中で描いてもらいたかったです。
ラスト、コトー先生が亡くなってるのではーという見方もあるようで、私もどう捉えていいのか心が落ち着きません。でも、コトー先生は生きて、剛洋くんやハント先生、そしていずれ彼のようになってくれるかもしれない彩佳さんとの赤ちゃんたちと、あの離島でずっと素晴らしい医療を続けている、と思っておこうと思います。