「コンビニから消えたことさえ気付かれず散っていったエロ本雑誌たち... 時代の流れの中で役目を終えていく雑誌の裏で展開される歪な人間模様に新人女性が喝!!」グッドバイ、バッドマガジンズ O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)
コンビニから消えたことさえ気付かれず散っていったエロ本雑誌たち... 時代の流れの中で役目を終えていく雑誌の裏で展開される歪な人間模様に新人女性が喝!!
2010年代にコンビニで販売された男性向け成人雑誌の編集者達をテーマにしているがゆえに業界の裏事情的な猥雑さと各キャラクターの濃さは多分に映画的というかマンガ的ながら、既にはるか昔に峠を過ぎたエロ雑誌が静かに潰えていく様を淡々とありのままに捉えた媚びの無い作風はまさに自主映画の面目躍如というところだと思います。
2010年代ともなるとDVDはもとより動画配信も既にバリバリな時期なので素人目にもエロ雑誌は下火な時期なのは察せられますが、冒頭から既に末期的です。
部数急落による採算悪化で慢性的な人手不足による徹夜常態化のオーバーワーク、作中での「DVDに雑誌が付いてる」という揶揄のセリフに象徴されるような付録有りきによるメーカーの絶対的優位化での不自由さ、営業経費削減による独自記事の削減とチープ化、やり甲斐の無さと薄給を背景とした他者移籍や引き抜きの日常化etc…といった感じで、他の業界でも各エッセンスを置き換えればそのまま通じるような末期的ブラック状態です。
となるとそんな社内に残っているのは相当な曲者か腹黒い人か、あるいは何もかも諦めてしまった世捨て人のような人たちばかりで、活気こそ無いものの爛々とした異様なムードは醸成されており、外から見世物根性的に覗くにはなんとも面白い世界ではあります。そこからして2010年代ともなるとDVDはもとより動画配信も既にバリバリな時期なので素人目にもエロ雑誌は下火な時期なのは察せられますが、冒頭から既に末期的です。
部数急落による採算悪化で慢性的な人手不足による徹夜常態化のオーバーワーク、作中での「DVDに雑誌が付いてる」という揶揄のセリフに象徴されるような付録有りきによるメーカーの絶対的優位化での不自由さ、営業経費削減による独自記事の削減とチープ化、やり甲斐の無さと薄給を背景とした他者移籍や引き抜きの日常化etc…といった感じで、他の業界でも各エッセンスを置き換えればそのまま通じるような末期的ブラック状態です。
となるとそんな社内に残っているのは相当な曲者か腹黒い人か、あるいは何もかも諦めてしまった世捨て人のような人たちばかりで、活気こそ無いものの爛々とした異様なムードは醸成されており、外から見世物根性的に覗くにはなんとも面白い世界ではあります。そこからして社内の人間模様の典型の標本のような感じもあって、それが作品全体のシニカルさにも繋がっていたのかとも思います。