「清々しいまでに胸をテーマにした気持ちいい作品」あつい胸さわぎ ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
清々しいまでに胸をテーマにした気持ちいい作品
若年の乳がんを扱った、ありきたりな泣けるドラマかなあ、と思っていたけど、期待以上!
脚本、キャスト、音楽、演出、どれもよかった。
いろんな人間関係が絶妙に繋がり、母娘とそのまわりの人間の展開がテンポ良く繰り広げられて、飽きがこない。その人間関係がうまく、対比を生み出している。
乳がんを扱っていながらも、それをテーマに子どもの成長と不安定さ、親の子離れ、多様性のあり方をうまく描いている。
胸という性的なものを、うまく思春期の恋愛と、心情的な「胸」とを掛け合わせて、気持ちよくみられる。
さらに至るところで、胸がキーになってきて、まさに、秀逸なタイトルである。
キャストは主役の吉田美月喜が可愛らしくも、大人になりかけな役をうまく演じている。
特にター坊の佐藤緋美がいい味を出している。
最近よく出ているが、飄々とした役はどれもいい。
2人のやりとりで、千夏の感情が流れ込んできて、涙が出てきてしまった。
奥平くんもMOTHER、マイスモールランドとたまたま見ていて、素直な感じがとてもいい笑
音楽も静と動がうまく使われて、作品を支えている。
欲を言うなら、わかりやすすぎるかなあ、というのと、展開がベタなところがあるくらい。
総じて観てて気持ちのいい作品だった。
2023年劇場鑑賞25本目
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