「あつい想いに胸膨らませて。」あつい胸さわぎ レントさんの映画レビュー(感想・評価)
あつい想いに胸膨らませて。
年齢的に親目線で観る映画だった。いちいち木村に呼応していた自分がいる。
当然、十代後半の女の子に対して人は胸だけを見て好きになるわけではないとか、胸がなくても君の価値は変わらないとか、あの場面では絶対に言ってはいけないのだろう。だが、酸いも甘いも嚙み分けた年代の人間の発想はそうなる。
それは結局は正しいのだが、十代後半の少女が理解できるはずもない。自分とて、長い人生を経てかみ砕くように体にしみこませて腹に落とし理解してきたことなのだから。それは理屈ではないのだ。
ズワイガニを食べながら発した木村の言葉は当然理解できるが、千夏がうけとめるにはまだまだ時間を要する。
初々しい主人公と脇を固める熟練俳優たち、安心して観ていられた。ちなみに知的障害のあるキャラクターを作品のかなめとするのが最近多い気がする。同じ日に観たイニシェリン島の精霊も同様だった。
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