「優しい世界見せてくれて感謝」金の国 水の国 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
優しい世界見せてくれて感謝
少女マンガ的なものの素晴らしさが詰まっていた。世の中は良い人ばかりじゃないし、理解し合えないことも多いのだけど、この作品世界は優しさに溢れていた。根っからどうしようもない悪人は出てこない、いがみ合う2つの国を超えた友愛の姿がこの上なく美しく描かれる。
サーラのキャラクターデザインが素晴らしい。日本マンガ・アニメの「かわいい」という概念はもっと拡張できるんじゃないかと思っていたので、これはその成功例の1つだと思う。
ナランバヤルもお調子者っぽいけど、切れ者でカッコいい時はカッコいいという原作の良い味がそのままアニメにも引き継がれた。賀来賢人の芝居が素晴らしくて、ドンピシャのキャスティングだったと思う。
資源はないけどお金はある国と、資源はあるけどお金のない国が対立する。これは世界中のいろんなところで起きていることだ。現実はとても複雑だけれど、まずは分かり合えるとを信じないと何も解決できない。これは現実の複雑さに対して、まず信じることの大事さ、シンプルだけどそのことを忘れちゃいけないことを思い出させてくれる。
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