「今の時代だからこその夫婦象」レジェンド&バタフライ 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
今の時代だからこその夫婦象
時代劇なんか殆ど観ないと言った方にも
かなり観やすい映画になってると思います。
現代語に近いセリフやテンポの早い展開で
それほど飽きる事なくついていけると思います。
またこの投稿のタイトル通り、
「令和」の今のジェンダー平等にマッチした夫婦象で
観ていて嫌な気分になることは殆どありません。
時代劇巧者にとっては至って斬新な作品であり
時代劇弱者にとってはかなりとっつき易い作品だと思います。
いわゆる合戦ものでは無いけど
全国各地でのロケシーンも多く、背景や小道具
エキストラの数など、制作費20億との触れ込みの通り
なかなか頑張ったな〜と想わせる画面の贅沢さ!
キムタクファン、綾瀬ファン、ならずとも
一種の異世界ファンタジーとして
時代劇が苦手な方もぜひ映画館で観て欲しいですね。
で、月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
今更、なんで「信長」なんだろう?と思った訳ですが
歴史ある映画会社が何周年を記念して
世に送る映画と言ったら、10〜20年程度前ならば
その映画会社に長らく貢献した看板役者を多数起用し
オールスターキャストで御座い!!
みたいな、退屈なおじさん映画を作っていたかもしれませんが
今作は、東映で初主演の木村拓哉と
人気女優の綾瀬はるかを起用し
一昔前の親父どもには発想が追い付かない様な
ジェンダー平等映画を作り上げたことにまず、拍手!!
NHKの大河ドラマでさえCGを導入するほど
実際の合戦のシーンを実写化するのが難しい次代、
大きな規模の合戦は描かず、主人公達数人が
リアルな乗馬シーンを見せることで時代観を出し
比叡山焼き討ちの様な僧兵と武士の戦いと言った
これまでの映像作品ではあまり強調されなかった部分
(私が観ていないだけかもしれないけど)を
しっかり描くことで戦記ものとしての醍醐味を観せつつ、
なんとか今の時代の男女平等感を
一種のファンタジーとして描いた本作。
私は、時代劇の一つの方向として
それも有り!!的に楽しく観られました。
いつも時代劇映画を観るたびに思い出すのは
時代劇評論家の春日太一氏言葉
「誰も観た人がいないのだから、なんでも有りなんです。」
その通りだと思います。
映画的には、最初の方の弓矢による狩りのシーンなどは
まるで「バーフバリ王の凱旋」の狩りのシーンを彷彿とさせ
最後の本能寺から「タイタニック」的なシーンへの流れは
「ラ・ラ・ランド」の様なあったかもしれない結末〜〜
映画ファンをニヤリとさせてくれる仕掛けもあり。
最後に、木村拓哉はそれなりに空気感と自分の立ち位置が
きちんと読めてる芸能人だと思うのですが
彼が主演の時に、必要以上にライバル役を不細工に描く
演出や脚本の「キムタク忖度設定」については
どう思っているのだろうか?
今回も斎藤工の、いかにも不細工な家康の特殊メイク!
彼がこういうの容認しているのか?
それとも周りが忖度しているのか?
分かりませんけどね〜〜〜
兎に角、文化を守るため
時打劇にはお金を払うというポリシーは変わらないので
皆様もぜひ映画館で〜〜〜