劇場公開日 2023年1月27日

「前評判通りの"U15 凡作 時代風映画"。それでも2主役の好演技で、なんとか「東映マンガ祭り」のメイン級映画には留まれた。」レジェンド&バタフライ YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5前評判通りの"U15 凡作 時代風映画"。それでも2主役の好演技で、なんとか「東映マンガ祭り」のメイン級映画には留まれた。

2023年2月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

100周年でなく、70周年とは、50年や60年よりも 軽いし、75周年でもなく。。。10年に1度! という意味なのか?
不思議なキリ数字である周年映画で、学園ものならともかく、戦国ものなのに20億円しか予算がない故に、
たいへん心配をしつつ 本作を観に行ったが
子供映画を得意とする東映が制作する映画なだけあって、鑑賞者のターゲットを中学生 のみ に絞った U15映画 に仕上げられ
おおかたの予想を裏切らないレベルの映画の中で、中学生でも 飽きずに 楽しめるように
だいぶ かみ砕いた稚拙な脚本と考証に仕上げられており、。。。大人の観客を無視したD級映画だった。

この映画の題名は何の意味があるのか? 映画の内容では何を伝えたかったのか?
特にテーマと言うものがなく、信長の30年間をひたすら、紙芝居のように 薄く延ばして、表現した内容でも
木村拓哉さん と 綾瀬はるかさん ふたりの主役の存在感と演技力は見事なもので、
この二人が 本作が U13子供映画 に成らない様に、なんとか支えていた。
制作費の半分は主演2名に6:4で配分すべきでしょう。

木村拓哉さんは主人公の20代から50代まで、見事に演じていた。

綾瀬はるかさんの今までの芸歴で磨かれたアクションと演技力は主役にふさわしいものだったが、
顎以下の顔が だいぶ 退化してしまったので、先に出演料を支払って、修正手術をしてもらってからの映画出演してもらった方が良かったでしょう。

脇役が粗末で、とても詰まらない役者に、詰まらない演出をしているので、とても観れたものではなかった。
せめて、滝藤賢一さんあたりが秀吉を演じて欲しかった。

茶髪な明智光秀にも幻滅した。

鎌倉時代位からは、武士のほぼ全員が月代をしており、
それが侍と百姓・野党との区別である 重要なファクター であったが、考証を無視した 髪型は
「信長の野望」あたりのゲームの影響か? おかしなものばかり

松竹にもNHKにも出てこない甲冑や衣装が多々登場し
特に信長が着た 多くの陣羽織は見事なものが多く、
衣装や武具を沢山新調した事は良い点だった。
沢山衣装を新調したので、今回調達した衣装・武具を使い、これから の映画製作に期待をする。

予算が行き届かず、足軽・手空きの半数以上が 鉢巻姿。
数少ない 足軽の陣笠 は観たことがない程の 超低レベル で、
上部から「紐とおし」が出ている 厚紙笠!  小学生の学芸会レベルの粗末さだったのは 非常に残念。

それでも良い点は幾つかあった。
「長篠の合戦後の戦場跡」「比叡山での小競り合いシーン」
そして、「本能寺の変」は真に迫るものがあった。
しかし本能寺で生き残った人が伝えた事柄やセリフ回しを、
あえてイジッて、オリジナリティを出そうとしたのだが、それは愚かな事
製作者は もう少し歴史を勉強してから、時代映画を手掛けて欲しかった。

この時代に、キス という概念はない。キスは明治以降 特に大東亜戦争後に成ってからです。

担当者名は違うが、楽器演奏の曲を音響効果として入れているが、
「永遠の0」と似せた使い方ではあるが、
永遠0 は、画面を盛り上げる為の効果に対して、
本作の音響は制作者側が鑑賞者に「このシーンに注目です!」という目印的に入れ込んであり、
音響はお粗末。
組み入れた音も音楽とは、ほど遠いい。

ひとりの半生を描くのに、50話(大河ドラマ)でも難しいのに、2時間(本作では168分)で表現するのだから、
重要な出来事のすべてを映像化できるわけではない。
それでも戦国時代モノを観る観客は 僕を含め、多くは 派手な合戦シーンを期待しているのだから、
CGでも良いから、合戦シーンを1~2つ入れてから、本能寺の変で纏めて欲しかった。
本来なら、きちんと原作があるものを映画化していれば、名著でなく、漫画であれば、 絵コンテ付き原作なので、凡監督・製作者にでも もう少しまともな映画をつくれたでしょう。

低予算映画な為に、無理せずに、恋愛ものにしておけば、よいものを
歴史ものにしてしまったので、もっと人間ドラマに主眼をおけば、良かったでしょう。
予算さえあれば、3部作くらいの構成で、幾つか合戦シーンを盛り込めたのだろうに。。。
人気俳優を2者も長期間拘束するのは、不可能なのだろうから、キャスティングをもう少し考えた方が良かったかもしれない。

今回のような低予算でつくるなら、信長等の首長級"大人物"でなく 塙団右衛門 とか 明智光秀 当たりの副将級を核に据えれば、
もっと、木村拓哉さんを生かした演出ができ、木村さんが得意とする「歯を食いしばる」演技"反骨精神"が観れたはずだ。

この映画を観たら、東宝の戦国時代映画には勝てるだろうと「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦」を観てはいけない。
残念ながら、本作は。。。しんちゃん映画より、下位だ。

YAS!
asicaさんのコメント
2023年7月9日

私が面倒で書かなかったこと含めて 時代考証の事などもとても素晴らしいレビュー。
笑えてうなづけて 素晴らしいです!
ほんとにそうでした。

asica
YAS!さんのコメント
2023年6月15日

簡単な数シーンを加えて、再編集すれば、良いアンサー映画になります。

できるのに

YAS!