「綾瀬はるかの圧倒的な存在感」レジェンド&バタフライ みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
綾瀬はるかの圧倒的な存在感
戦国武将・織田信長と正室・濃姫の夫婦愛を描いた異色のラブストーリー。天下布武を掲げて獅子奮迅の活躍を見せる信長と彼を影で支える濃姫という物語だと予想したが、ラブストーリーとは意外中の意外だった。豪華俳優陣が出演しているので、正統派の作品を観たかった。しかし、本作は160分間超の上映時間を感じさせない、なかなかの作品である。
本作の主人公は織田信長(木村拓哉)と濃姫(綾瀬はるか)。二人は尾張と美濃の和睦のため政略結婚をする。当初、二人は反目していた。濃姫は信長の寝首を掻こうとしていた。しかし、二人で暮らし色々な出来事を共有することで、二人の心は打ち解け相手を想うようになっていく。桶狭間の戦いで濃姫の軍師の様な知略アドバイスで勝利すると、信長は破竹の勢いで勝ち続けていく。しかし、次第に信長は狂気の世界に惹き込まれていく・・・。
本作は、信長ではなく濃姫役の綾瀬はるかの存在感が圧倒的。眼光の鋭さ、凄味のある武芸、常に強気で攻めの気持ち。女性ではあるが、もののふという言葉が相応しい。更に、異国への想い、夢を語る眼差しが若々しい。眩しい。人間としてのスケールの大きさを感じる。
対する信長役の木村拓哉は、いつもながらのキムタクのまま。信念も曖昧。色々な信長像があっても構わない。キャラを変え難いのは人気俳優の宿命ではあるが、最低限の役作りは必要だろう。
対照的に、終盤に登場する徳川家康を演じる斎藤工は、体型も変えた入魂の役作りに挑んでいる。エンドクレジットで斎藤工の名前が出るまで、家康役が誰なのか全く分からなかった。他の芸達者な俳優陣も役柄に成りきって本作を支えている。
終盤、狂気の信長に付いていけなくなった濃姫は離縁し、難病に侵される。やがて、濃姫は、信長の苦悩を知り彼に寄り添い支え合う。そして、本能寺の変で、二人の波乱万丈のラブストーリーは終焉を迎える。
本作は、ラブストーリーという斬新な視点で、織田信長と濃姫の夫婦愛を描いた切なく見応えのある異色作である。
こんばんは♪たくさん共感ありがとうございます😊
私も家康役わからず、斎藤工さんと知って見直した時に確認しましたが、よく化けたものでした。
役者は凄いです。綾瀬はるかさん本当に本作良かったです。
みかずきさん、コメントありがとうございました。キムタクはキムタクのままでしたが、他のキャストは皆さんいい仕事をしてましたね。綾瀬さんは素晴らしかったし中谷美紀さんや伊藤英明さんも良かったです。秀吉も良かったから出番が少なくて残念でした。
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、色々な信長がいてもいいですね。ひょんな出会いや偶然が重なって、気がついたら、本人が自覚するよりビッグになり、それに耐え切れずに、或いは大きな勘違いで残虐なこともできてしまった。そして、そんな信長にしてしまったと責任を感じた濃姫が、ある種の戸惑いから、信長とすれ違い始める。
その場合、確かに、従来の信長の才気走った危うさというイメージとは別物の愚鈍さのようなものがあったとしてもおかしくはないですね。